京都市の敬老乗車証制度をめぐり、利用者の年額負担金(10月~翌年9月)が昨年度、2021年度の3~4.5倍に大幅に値上げされた問題で、利用者数が21年度と比べて約4万8000人減少していることが分かりました。

 日本共産党京都市議団の要求に基づき、市がこのほど利用状況の資料を提出し、判明しました。敬老乗車証制度は22年度から大幅な制度改悪が実施され、22年度の負担金は21年度の2倍に。今年度からは21年度の3~4・5倍と大幅引き上げとなり、対象開始年齢も70歳が71歳に引き上げられました。

 改悪前の2021年度は利用者数は14万2652人、交付率は44・7%だったのが、市の資料によると、昨年度には利用者は11万7717人、交付率は37・7%に減少。今年度には9万4729人となり、21年度と比較すると4万7923人の大幅減、交付率は31・7%にまで下落しました。

 今年度、敬老乗車証を利用しない人のためとして創設された敬老バス回数券(上限1万円までのつづりの半額5000円を補助)について、市は約30%程度の交付率を見込んでいましたが、実際にはわずか5.1%、利用者数は1万5235人にとどまりました。

 同制度の改悪に反対し、制度を21年度の改悪前に戻すよう求めている「敬老乗車証守ろう!連絡会」の事務局長の宮内尚志さんは「幅広い高齢者の生きがい対策や健康増進に寄与するというのが制度の本来の目的だったのが、交付率3割では制度は形骸化している。4万8000人も利用者が減ったことを市は深刻に受け止めるべき」と指摘します。

 また、敬老バス回数券の交付率について「わずか5%にとどまったのは、バスに限定した回数券を買うだけの経済的余裕がない、高齢者の生活がいかに厳しいかということの表れだ。地下鉄も市バスも安心してフリーに乗れる敬老パスの負担金を改悪前に早急に戻すべきだ」と話しています。