パレスチナ出身の女性(手前右)の話を聞く参加者ら

 イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への軍事攻撃が病院にまで拡大するなか、京都民医連あすかい病院(京都市左京区)で11月27日、「ガザとは何か」をテーマにした学習会が開かれ、ゲストスピーカーのパレスチナ出身の女性の訴えに耳を傾けました。

 職員の塚玲子さん、中川伸子さん、藤倉牧子さんが中心になり呼びかけた「パレスチナを考える職員有志の会」が主催し、35人が参加。ガザでのジェノサイド(大量虐殺)に対し、自分たちに何ができるのか意見交流しました。

 女性は京都大学大学院の卒業生(免疫学)で、父親も夫も医師であることから、ガザの医療状況に焦点をあてて報告しました。

 10月7日の戦闘開始以来、ひと月の間に、200人以上のパレスチナの医師が殺害され、看護師が殺されていること、医療物資がない下で麻酔薬なしの手術が子どもにも行われる事態を告発。イスラエルによる医療従事者を標的にした攻撃について、「ナチス政権下でさえ医療施設への攻撃の報告はない。ガザでの残虐行為は人類史上前例がない」と非難しました。

 参加者に向けては、日本の医学会として、パレスチナの医療従事者のために出来得ることをすべて行うという声明の発表と、岸田首相に対して人類を救う行動をとるよう求めてほしいと話しました。

 学習会はこの後、「ガザを見殺しにできない」と題して、岡真理・早稲田大学教授が行った講演(10月20日)の動画を視聴し、意見交流。「イスラエル・パレスチナ問題についての歴史が分かった」「ガザで起きている事態に衝撃を受けた」と言う感想とともに、日本政府やメディアの姿勢に批判や懐疑的な意見も出されました。

 「患者さんからも民医連としての行動に期待の声がある」として、停戦を求める世論を大きくする取り組み、行動を希望する声など、積極的な発言がありました。