京都府内を縦断する北陸新幹線延伸計画(敦賀─新大阪間)の中止を求める住民団体や市民が11月23日、京都市内で計画中止を求めるパレードを行い、240人が参加しました。「北陸新幹線延伸計画の環境アセスの一旦停止を求める会」が呼びかけ、府内13グループが共同で企画したもの。

 同計画をめぐっては、国が今春の着工を断念し、推進派から別ルートが示されるなど計画は迷走。一方で、本来は事業の認可後に行うべき地質調査が府内各地で進められています。

 京都市中京区の京都市役所前のリレースピーチでは、市民が地下水の枯渇や膨大な残土処理とヒ素による影響などを次つぎと告発しました。

 環境アセスメントの受け入れを拒否している南丹市美山町田歌区の長野宇規氏は、大量の建設残土や河川への影響などの問題点を指摘し、「採算がとれない新幹線を建設すれば将来の世代にさらなる負担を残す。絶対に建設させてはならない」と述べました。

福山氏「延伸計画許せば京都市財政は破綻」

 来年2月の京都市長選に立候補を表明している福山和人弁護士は「京都市がこの計画に手を出したら、おそらく1000億円単位の借金が残り、財政は破綻する。そんなお金があるなら福祉に回せと言いたい。そういう市政をつくるために全力を挙げたい」と強調しました。

 日本共産党の倉林明子副委員長・参院議員は「政府は前倒しで調査費用を盛り込んだが、調べるほど難工事が明らかになっている。しわ寄せを受けるのは国民。市長選で勝って必ず止めよう」と呼びかけました。

 「京北や美山などの国定公園をトンネルで通す計画は許されない」(右京区京北の住民)、「莫大な残土をどこに捨てるのか。計画は中止を」(京都労山のメンバー)、「松井山手で駅の建設が計画され、住民運動が広がっている。計画は白紙撤回を」(京田辺の住民)など各地の市民や団体から発言がありました。

 参加者は市役所前から東山区の円山公園まで行進し、「自然を守ろう」「新幹線で京都を掘るな」「京都を壊すな」と声を上げてアピールしました。