市長が任期途中で辞職したために行われる八幡市長選は、11月5日に告示され、同12日投票を迎えます。選挙には、日本共産党も参加する「市民のための市政をすすめる八幡市民の会」の、かめだ優子候補(62)=無・新、元同市議=と、市政後継者として自民・公明・立憲民主が推薦する自民党国会議員の元秘書、「維新の会」の公認で自民党の元府議(京田辺・綴喜)が立候補する予定です。

 選挙戦は、物価高騰が続く中で、今年度から水道料金の値上げを強行し、学校給食費の値上げ計画など、市民に負担増を押し付ける現市政の継承か、転換かが問われます。

 「八幡市民の会」のかめだ候補は、「市民の声を生かす市政」への転換を訴え、いのち・暮らし・平和を守る政治をめざす決意を表明。同市予算の1%(2億8000万円)で出来る子育てや暮らし応援の政策「すぐやる10のプラン」を語って支持を訴えています。

 同プランは、▽上下水道基本料金減免制度の復活(1500万円)▽18歳までの子どもの医療費を通院も無料化(100万円)▽市独自に学校給食費無償化を推進(4000万円)▽補聴器購入に助成(300万円)─など、市民の願いを反映した内容です。

 かめだ候補は、廃止寸前だった市民プールの存続、子どもの医療費助成の拡充、中学校給食の実施など、市民と運動を共にし、20年務めた市議時代(日本共産党)にはそれらの願いを議会に届け実現してきた人です。「市民が声を上げれば政治は変わります。暮らし応援の市政に変えます」と訴えています。

 なかでも、子どもの医療費助成の拡充は、かめだ候補が市議に初当選した2003年の初質問から、市民の願いをもとに繰り返し追及してきた課題です。同市では今年、中学校卒業まで(通院・入院とも)無料(1医療機関月200円の自己負担)が、京都府の拡充に併せ、入院は高校生まで対象を広げました。

 市民の請願や議会論戦で、通院を含めて高校生にまで広げる要求に市長は背を向けました。しかし、府制度改正によって市の財政負担が軽減されるため、通院も含めて拡充するには市の予算を100万円上乗せすれば可能になる計算です。

 また、市民の声を届ける上で、住民の立場で国にものが言える市長を選ぶかどうかも大事な選択です。かめだ候補は、自民・公明・維新が進めるマイナカードの一体化による健康保険証廃止の中止を国に求めると明言。「住民の願いを聞いて住民参加のまちづくりをめざします。市職員と力を合わせて市政のかじ取りをすすめたい」と力を込めます。

 「八幡市民の会」は、市民の声を受け止める市長を選ぼうと呼びかけ。水道料金値上げ条例や国保料の値上げを含む市の予算に賛成してきた自民、維新の議員の態度を批判。国政では、物価高騰から暮らしを守る対策もなく、

 軍事予算は増額する自・公政権とそれを補完する維新が推す候補者に、市民の願いが託せるかと問い掛け、「憲法を生かし、暮らし応援の願いを、かめだ優子さんに寄せていただき、市民の願いに応える新しい市政に転換しよう」と支持を広げています。

 「すぐやる10のプラン」はほかに、▽府立高校生のタブレット購入費支援▽18歳までの国保料均等割の無料化▽後期高齢者医療費の窓口負担2割を1割に軽減▽高齢者宅への宅配サービスに取り組む商店・スーパーを応援▽公共交通対策予算倍増でバス・デマンド交通を支援▽住宅リフォーム・耐震改修支援の充実。

平和首長会議 府内で唯一未加盟の八幡市

前市長「必要性感じない」/かめだ候補「真っ先に加盟し平和発信」

 核兵器のない平和な世界の実現や平和・文化振興に取り組む国際NGO「平和首長会議」に府内で唯一、八幡市が未加盟です。全国でも未加盟は長崎県佐世保市と同市の2市のみ。 同会議は1982年の国連軍縮特別総会で、世界の都市が国境を越えて連帯し、共に核兵器廃絶への道を切り開こうと広島市長が呼びかけたことを機に、広島・長崎両市が働きかけ、現在、世界166カ国・地域の8311都市が加盟しています。

 一方で、八幡市は、「非核平和都市宣言」を府内で最初に行った(1982年)自治体です。市議会では日本共産党が、「平和首長会議」への加盟を繰り返し求めてきましたが、堀口文昭前市長は「今は必要性を感じないということですので、参加するつもりは現時点ではございません」(20年10月、決算特別委員会)と答えるなど、一貫して加盟を拒否してきました。

 「平和首長会議」は10月、国内加盟都市会議総会を開き、今月27日から開催の核兵器禁止条約第2回締約国会議への日本政府のオブザーバー参加や禁止条約への一刻も早い署名・批准を求める岸田首相に対する要請文を採択しています。

 市長選で唯一、かめだ優子候補は、「市長になれば真っ先に加盟し、みなさんの平和の思いを全国、世界に発信します」と表明しています。