気候変動に関する農作物への影響を語る農家 Ⓒ2023ヴェンデ2製作委員会

 再生可能エネルギーの実践を追う『Wende(ヴェンデ)~光と水のエネルギー』を手がけてきた髙垣博也監督はこのほど、地域での気候変動対策を追った『Wende2~未来へのアプローチ』を制作。現在、京都みなみ会館(京都市南区)で上映中です(3月16日まで)。

 「ヴェンデ」はドイツ語で大改革の意味。化石や原子力に依存するエネルギーから、再生可能エネルギーへと転換するエネルギー改革の意味でも使われています。

 今作は、気候変動問題の地域からの取り組みを呼びかけ「世界気候エネルギー首長誓約」や、地域における気候政策を研究する杉山範子・名古屋大学大学院環境学研究科特任准教授の講演や活動を軸に展開。温室効果ガス排出を抑制する緩和策と、気候変動による影響に対処する適応策の2種類の気候変動対策について、地域の実践を追っています。

 亀岡市や南山城村の農家が気候変動に関する農作物への影響を語るとともに、福知山市での防災訓練、亀岡市でも使用済みパラグライダーの素材をつかったエコバックの取り組み、などを紹介。長野県の高校生による地域への地球温暖化による影響調査などの取り組みも取材しています。また、福知山市や亀岡市などの市長のインタビューも収めています。

記者会見に臨む(右から)髙垣、杉山、竹内の各氏

 2月6日には、京都市中京区で完成の記者会見が行われ、髙垣監督、杉山准教授、プロデューサーの竹内守氏(京都映画センター代表)があいさつ。髙垣監督は、地球温暖化問題を自らの問題、地域の問題として考えてもらうために、今回の作品を制作したことを強調。各地域で上映と講演とセットにした取り組みを広げてほしいと訴えました。杉山准教授は、若い人たちに対するSDGs(持続可能な開発目標)の教育が浸透し、世界的に も若い人たちによる運動が活発化していることへの期待を述べ、「私たちの活動は未来への種まき」と語りました。竹内氏は制作の経緯などを説明しました。

 『Wende2~未来へのアプローチ』 ~3月2日(木)11時、3日(金)~9日(木)12時45分、10日(金)~16日(木)10時20分、京都みなみ会館(南区西九条川原城町110)☏075・661・3993。土・日曜上映後に髙垣監督とゲストの舞台あいさつあり★3月4日(土)は杉山准教授。一般1800円、60歳以上1200年、学生・障がい者(要証明)1000円。問い合わせ☏075・256・1707(京都映画センター)。