新型コロナウイルスの感染拡大で、感染したにもかかわらず、高齢者福祉施設などで入所者が入院できずに施設に「留め置き」となり、死者も発生する事態となるもと、京都府保険医協会は「留め置き」の実態調査を行い、その結果を2月14日、発表しました。「入院が必要と判断したができなかった」施設が半数近くに達することが判明し、同協会は改善策が早急に求められているとしています。

 調査期間は1月25日~2月7日。府内にある自治体や社会福祉法人などが運営する公的な高齢者福祉施設や障害者施設(介護老人福祉施設、養護老人ホーム、障害者支援施設など)全351施設を対象としました。第7波以降(2022年6月15日~23年1月25日)の留め置き状況を聞くアンケート用紙を郵送で送付し、ファクスやインターネットで回答を得ました。

 128施設が回答。利用者が陽性となった施設は86%、発生人数は2578人。その陽性者のうち2068人、約80%が施設内治療となりました。

 入院できずに亡くなった人は29人。施設内治療を行った施設のうち、「入院が必要と判断したができなかった」施設が、47%に達しました。入院できなかった理由について、最も多かったのが「保健所、救急隊員から『入院するところがない』と言われた」で、45%。次いで「府の入院コントロールセンターが『入院不可だと言っている』と伝えられた」が26%となりました。

 同協会では、京都府の発表では、第7波(22年6月15日~11月末)だけで92人が施設でなくなっていることや今回の結果を踏まえ、「府として、これまでの検証と総括、改善策を打ち出すことが求められている」と指摘しています。