自民党・渡辺府議が配布したものと同じウエットティッシュ

 自民党の渡辺邦子府議(伏見区選出)が9月30日に行われた府議会文化・教育常任委員会で、文化庁の京都移転をアピールする、ウエットティッシュを市民に配布したと発言しました。識者は「公選法違反の寄付の疑いがある」と指摘しています。

 渡辺氏(同委員会副委員長)は同委員会で、文化庁の京都移転のアピールに関わって発言し、「(文化庁の京都移転をアピールする)ウエットティッシュを私もいただいて、皆さんにお配りしたら大変喜んでおられた」、「私も前にちょっと集会をしまして、その時にお配りした」などと述べました。

 本紙は渡辺氏に対し、ウエットティッシュを配布した日時や集会の内容、配布した対象や人数、「公職選挙法(寄付の禁止)に反する行為という認識はあるのか」などについて質問状を送付しました。

 10月17日付で渡辺氏からファクスで回答があり、「文化庁京都移転に関する府民への啓発グッズをお配りしたもので、府の施策に関する広報を府に代わって行ったものであり、公職選挙法に反する行為とは考えておりません」とし、その他問い合わせについては「回答を差し控える」としています。

 府文化スポーツ部の担当者によると、ウエットティッシュは2万個ほど作成したとし、「議員がイベントなどで配布する場合、必要な個数をお渡しすることはある。渡辺氏にいくつ渡したかなどは分からない」と話しています。

行政広報での配布としても

 公選法に詳しい神戸学院大の上脇博之教授は、「政治家が、選挙区内にある者に対して寄付をすることは公職選挙法で禁じられています。渡辺氏が選挙区内の府民に対してウエットティッシュを配布したとすれば公選法違反のおそれがあります。行政の広報と一体で配布したと主張していても、もらった側からすれば『議員からウエットティッシュをもらった』という認識になる」としています。

 渡辺氏は2006年初当選で5期目。自民党府連の政務調査会長などを歴任しています。