京都府が、「北山エリア整備基本計画」と称して府立植物園(京都市左京区)周辺の大規模開発を進めようとしている問題に対して、「植物園を壊さないで」と府民的運動が広がるなか、地元在住の瀧本正史さん=京都市北区=が、整備計画の概要や植物園の魅力を写真で知らせる小冊子を、このほど発行しました。

 小冊子は、「わが町ぶらぶら再発見~京都の植物園と周辺をぐるぐる」(A4判、18㌻)。表紙には、川端康成の小説『古都』に登場する、樹齢100年を超える「くすのき並木」。植物をはじめ、園内の神社や碑、周辺の賀茂川、府立大学のたたずまいを撮影した、80点を超える写真を収めました。

 瀧本さんは、コロナ禍で外出しにくい人にも、散歩をするような感覚で見てほしいと作成。昨年の夏から秋にかけて、何度も撮影に出かけ、「改めて、植物園の良さがわかってきた」「静かな環境と綺麗な空気、人がおだやかに生きる原点が植物園にはあります」と記しています。

 府の開発計画についても、「行政と住民の間で『文化』の概念のとらえ方の違いがあるのではないか」とし、計画を抜本的に見直し、話し合いをしていただきたい、と述べています。

 冊子は、学習資料として希望者に頒布します。問い合わせ☎090・9982・5554(瀧本さん)。