京丹後市の米軍レーダー基地の米軍属が「丹後ふるさと病院」(同市網野町)で受けたPCR検査をめぐり、同病院の感染拡大防止ルールを逸脱する行動をとっていた問題で、同病院は2月10日、防衛省に対してルール徹底や再発防止を申し入れました。

 同病院の西川政治事務局長らが出席。「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」の増田光夫代表、日本共産党の平林智江美市議、永井友昭市議(無所属)が同席しました。防衛省・近畿中部防衛局、同市基地対策室長らが対応しました。

 米軍属4人は2月14日に検査結果を知るため来院し、院内の待合室に滞在。この内、1人は陽性でした。病院の受検ルールでは、検査は屋外でドライブスルー方式により実施し、検査結果は電話かメールで通知。受検者が院内に入るのは「陰性」と連絡を受けて、陰性証明を受け取る場合に限定していました。

 申し入れで病院側は、防衛省に対し、「今後を含め、確実に我々のルールにのっとてほしい」と要望。これに対し、防衛省は、米軍側も受検ルールを認識していたが今回の事例は基地内での伝達ミスがあったとし、基地司令官から院内に立ち入ったことを「大いに反省」しており、再度ルールを周知徹底したと回答があったと説明しました。

 病院側からは、今年に入り同基地で感染者が多数発生しているもと、受検に来た米軍関係者と基地内の陽性者との接触状況などの情報が分からないことを挙げ、「濃厚接触者でなくても、基地内での接触具合は教えてほしい」と要望しました。

 西川事務局長は、在日米軍が入国時の検査を実施していなかった問題を指摘し、米軍が検査実施を表明したもとでも実効性に疑問が残るとし、「入国の検査はしなくて、出国時には(民間病院で)しっかり検査しようということなら、許されない」と述べました。