講演する楾弁護士(11月23日、木津川市)

 木津川市の市民でつくる「Olipoliの会」が11月23日、憲法について学ぼうと、『檻の中のライオン』(かもがわ出版)の著者である、楾(はんどう)大樹弁護士(ひろしま市民法律事務所所長)を招いた講演会を同市東部文化交流会館で開き、40人が集いました。

 同会による楾氏の講演は2回目。同書は、権力を憲法で縛る立憲主義を、檻を「憲法」、ライオンを「権力者」に見立てた例え話で解説した憲法入門書。

「憲法が危ない」投票日の翌日に企画

 総選挙で改憲勢力が7割を占め、岸田文雄首相が「党是である憲法改正を進めたい」と発言し、日本維新の会が来年の参院選と同日に改憲のための国民投票法の実施を求めるなどの動きに対し、「憲法が危ない」と投票日翌日に会メンバーが集まり、学習講演会を決めたものです。

 講演会で楾弁護士は、最高法規である憲法は、国会議員や裁判官などの公務員が守るべき義務を負い(99条)、憲法が国民に保障する基本的人権は侵すことのできない永久の権利(11条)との関係性を指摘。安倍政権以降、安保法制や共謀罪法など、檻を自ら壊す違憲の法律を作るなど権力を法律で縛る立憲主義が壊されてきていると述べ、「森友学園問題では公文書を改ざんした担当者が自殺したにもかかわらず、説明しない。学術会議の委員の任命拒否の理由を述べない。国民が政治をコントロールする民主主義が壊れていないか」と問いかけました。

 自民党の改憲草案に触れ、憲法での主人公を「日本国民」から「日本国」とし、改憲発議を3分の2から過半数とすることや、9条2項への自衛隊の書き込み、緊急事態条項など、「檻からライオンの出入りを自由にしては檻である憲法の意味がなくなってしまう」と指摘しました。