日本共産党京都府委員会(渡辺和俊委員長)は衆院が解散された10月14日、「衆院解散にあたっての声明」を発表し、総選挙(19日公示、31日投票)に向かて、京都でのたたかい方などの方針を示しました。渡辺委員長らは同日、京都市中京区の府委員会事務所で会見しました。

 声明では、今回の総選挙について「9年間の安倍・菅政治とこれを引き継ぐ岸田政権に審判を下し、自公政治を終わらせる歴史的な選挙」と強調。市民連合と4野党が共通政策を結び、共通政策を実行する目的で日本共産党が閣外協力する合意が結ばれ、多くの選挙区で野党候補の一本化がはかられたことについて、「歓迎するとともに、党としてこの合意を誠実に守り、政権交代と野党連合政権実現へ力を尽くす」としています。

 野党連合政権の前進には強大な日本共産党国会議員団が必要とし、「比例近畿ブロックでは現有2議席から4議席の奪還、小選挙区でも大幅増をめざす」と強調。 同府委員会は、京都1区の穀田恵二衆院議員を野党統一候補とすることを他の野党に求め、京都3区と6区では候補者を「検討中」との態度をした上で、昨年11月に立憲民主党に協議を呼びかけましたが、同党は「現時点では申し入れに応じることには至らない」との態度を表明。さらに同党は9日、京都では「共産党との選挙協力は行わない」との態度を正式に表明したことを紹介しました。

 その上で、京都1区については穀田氏が唯一の野党候補で、実質上の「野党統一候補」であり、市民連合からの支援もあるとし、「小選挙区での穀田氏当選へ全力を尽くす」と表明。3区・6区では、「我が党は比例代表選挙に集中し、比例での大幅得票増をめざす」とし、小選挙区では、野党共闘の立場を貫き、「自民党と補完勢力(維新)を落とす」見地で、「自主投票」とするとしています。

 また2区、4区、5区でも比例代表選挙での躍進を第一に訴え、「小選挙区では野党が競い合って自公候補を落とす立場で臨み、我が党候補の当選をめざす」としています。

 会見した渡辺委員長は、「私たちは比例代表選挙に集中するというのが方針」とし、府内で比例票を30万票獲得、近畿ブロックでの4議席奪還を強調。京都1区について、「こくた氏は、ミスター野党共闘と呼ばれ、4月の国政3補選など全国の共闘で奮闘してきた。立憲民主党の中村喜四郎さん、小沢一郎さん、安住淳さんなどの有力国会議員からも支援をいただいている。1区での勝利をめざす」と述べました。立憲民主党京都府連とのやりとりを紹介しながら、「3区、6区は野党共闘の立場を貫き、自主投票とする」とし、他選挙区でも比例を軸に選挙をたたかうことを述べました。

声明全文は以下の通りです

衆議院解散にあたっての声明   2021年10月14日  日本共産党京都府委員会

本日衆議院が解散された。

今回の総選挙は、9年間の安倍・菅政治と、これを引き継ぐ岸田政権に審判を下し、自民党・公明党の政治を終わらせる、歴史的な選挙である。

9月8日、市民連合と4野党が結んだ20項目の共通政策は、この要請に応える画期的な内容となった。また、共通政策を実行する目的で、日本共産党が閣外協力するとの政権合意が立憲民主党との間で成立した。加えて、多くの選挙区で野党候補の一本化がはかられた。ここに至った、枝野代表をはじめ立憲民主党の英断に、敬意を表する。

日本共産党京都府委員会は、総選挙史上初めて、共通政策・政権合意・選挙協力という3つの合意と協力が成立したことを歓迎するとともに、党としてこの合意を誠実に守り、政権交代と野党連合政権実現へ力を尽くす。

野党連合政権が揺るがず前進するためには、強大な日本共産党国会議員団が必要である。政権交代のためには、共闘を一貫して推進してきたわが党の比例代表選挙での躍進、近畿ブロックでは現有2議席から4議席を奪還することが不可欠である。同時に、野党共闘の

強化・前進と一体に、小選挙区でもわが党議席の大幅増をめざしている。

わが党は、京都1区の穀田恵二衆議院議員を野党統一候補とすることを他の野党に強く求め、同時に、3区・6区では候補者擁立を「検討中」との態度を明らかにした上で、昨年11月、立憲民主党京都府連に協議を呼びかけたが、同党は「現時点では申し入れに応じることには至らない」との態度を表明された。加えて今回、同党は、京都では「共産党との選挙協力は行わない」との態度を、10月9日に正式に表明された。

以上の経過をふまえ、わが党は、各小選挙区での活動方針と投票について、次の態度で臨む。

1区は、わが党の穀田恵二前衆議院議員が唯一の野党候補である。また、穀田候補は、国会内外の野党共闘を進める上で、他党も認める抜群の実績がある。穀田氏が実質上の「野党統一候補」であり、市民連合からの支援もある。今回何としても、小選挙区での穀田恵二当選をかちとるために、全力を尽くす。

3区・6区では、わが党は比例代表選挙に集中し、比例での大幅得票増をめざす。小選挙区では、今回の立憲民主党京都府連の態度表明をふまえ、わが党は、野党共闘の立場をつらぬき、「自民党と補完勢力(維新)を落とす」見地で、「自主投票」とする。

2・4・5区でも、比例代表選挙での躍進を第一に訴え、それぞれの得票目標実現に力を尽くす。小選挙区では、野党が競い合って自公候補を落とす立場で臨み、わが党候補の当選をめざす。