京都の大学人による声明「市民と立憲野党の共同で政治転換を求める」の呼びかけ人によるオンライン集会が9月25日、行われました。池内了・総合研究大学院大学名誉教授、岩野勝人・池坊短期大学教授、宗川吉汪・京都工芸繊維大学名誉教授、中田裕子・龍谷大学准教授、西牟田祐二・京都大学名誉教授がそれぞれ報告しました。 

 池内氏は、軍学共同の現状について発言。2015年から始まった防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度について「基礎研究」「民生研究」をうたっているものの、軍事装備開発のための基礎研究で、政府の介入を招く恐れがあり、学問の自由を破壊するものだと厳しく批判。

 岩野氏は、コロナ禍でワークショップなど、文化的活動による学びが出来なくなっていることの問題点指摘。さらに、不誠実がまかり通る政治を変えるためには野党による政権交代を行うしかないとし、野党は票を奪い合うのではなく、野党共闘し、無党派層の心を動かす未来に対する夢を語るべきだと強調しました。

 宗川氏は、「ポスト3・11―憲法と原発」と題し、ときどきの政治状況について論じた自らの年賀状を10年分読み上げ、情勢の変化を振り返りました。

 中田氏は、「歴史学から見る民族形成―朝鮮半島を事例に」をテーマに、ヘイトスピーチに見られる韓国などへの差別を、歴史的に考察し、近代国家がつくりだした対立に端を発していると解説しました。

 西牟田氏は、総裁選の候補者が「コロナ禍で有効な手が打てないのは、憲法が悪い」と根拠もなく決めつけ、緊急事態条項の創設を目指していることの危険性を、ドイツナチズムの親和性をあげなから、解説しました。

 第2回目のオンライン集会を10月9日午後2時からを予定。 問い合わせ℡080・3783・7274(細川)。