事務所開きで市政転換の決意を語る中野さん

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け4度目の緊急事態宣言が出されるなか、9月5日告示・同12日投票で城陽市長選が行われます。コロナ禍で暮らしに困る市民を置き去りにするかのように現市政は、2学期から学校給食費値上げ、10月から下水道料金の値上げを決めています。市民に負担増を押し付ける市政から、暮らしを応援する市政への転換が求められています。

 学校給食費は、2学期から1食あたり20円アップ(小学255円、中学285円)。府南部地域の5つの市(城陽、宇治、八幡、京田辺、木津川)の中で一番高額になり、年間3860円(年193回)の負担増となります。

 市の担当者は、引き上げの理由を「給食の質を保つため」とし、「中身に全額還元する」と正当化しますが、近年、子どもの貧困対策や保護者負担軽減策として、給食費の無償化や一部補助、多子世帯への減免を行う自治体が増えているなかで、こうした動きに逆行するものです。

 同市と人口規模(約7万5000人)が同様の兵庫県たつの市は18年度から中学校のみ給食費を無償化。京都府内では、伊根、井手、和束、笠置の4町と南山城村が無償、久御山町が月額500円(小学校のみ)を補助しています。

子育て世帯にダブルパンチ

 子ども3人を育てる30代の母親は、無償化や一部補助を行う自治体があると知り、「小学生が2人いるので、値上げは家計に負担。コロナ禍で、職種によっては収入減の家庭もあり、給食費は据え置くか、むしろ補助してほしい」と話します。

 それに加えて10月から、下水道料金も上がります。一般家庭のモデルケースとされる1期(2カ月分)40立方㍍を使用した場合、下水道使用料(税込)が6215円(現行5720円)に495円値上がりし、水道料金の徴収額は1万2155円に。府南部5市の中で一番高い料金です。

 1期分約500円増でも年間の負担額は大きく、小中学生を育てる家庭は給食費値上げと合わせてダブルパンチ。「今でも家計は大変」「コロナが落ち着くまで値上げはしないで」と切実です。

 感染予防として自粛期間の長期化、夏場は簡易のプール遊びで水の使用量は増えると言うのは、4人の子どもを育てるシングルマザーのエリさん(37)=仮名=。台所、洗濯、風呂など毎日使う水は、これ以上、節約できないと言い、「生活はカツカツなのに、市民へのしわ寄せが過ぎるのでは。政治家には暮らしの実態を知ってほしい」と話します。

 当初、給食費の値上げは、子どものためには仕方がないと思っていた純子さん(40)=仮名=は、下水道代との出費増に先行きの不安を訴えます。「市長には、暮らしや子育ての願いを理解できる人になってほしい。声をあげても市政に届かないと諦めずに友達にも広げたい」と言います。

城陽市は水道料金コロナ減免実施せず

 水道料金では、コロナの影響を踏まえ、生活や経済活動の支援を目的にした独自減免を行う自治体も生まれ、府南部でも京田辺市や八幡市、久御山町などが実施しましたが、同市は未実施。逆に、生活保護受給者や65歳以上の一人暮らしの高齢者らを対象に、水道料金・下水道使用料の基本料金の一部を減免する制度を23年7月31日で廃止する計画を進めています。

 制度を利用しているのは1500世帯。減免制度を利用している独居の女性(84)は、制度の廃止を知って驚き、「年金は減る一方。水まで始末できない。減免制度は残してほしい」と切望しました。

 「みんなの城陽」の中野きょうこ候補は、すぐに実行するプランで、2学期からの給食費値上げ、10月分からの下水道料金値上げを中止。下水道料金のコロナ減免を実施する、暮らし応援の緊急対策を訴えています。