コンサートでは「希望のメッセージを伝えたい」と語る、加藤登紀子さん。20曲以上を歌う予定です 写真提供:トキコ・プランニング

 シンガーソングライター・加藤登紀子さんのコンサートが5月29日(土)、京都市左京区の京都芸術劇場春秋座で行われます。コロナ禍のもとで、昨秋まで活動を停止し、コンサート会場の観客数を減らし、昼と夜に分けて時間を短くするなど、慎重に活動してきました。

 今回は同劇場の20周年記念公演として、「時には昔の話を~生きるための歌~」をテーマに歌い、語ります。

 コンサートでは、コロナ禍で過酷な医療従事者への思いをアーティストたちと初のオンラインで作り上げ、YouTubeで発信した「この手に抱きしめたい」をはじめ、「百万本のバラ」「琵琶湖周航の歌」「時には昔の話を」など全20曲を歌いあげます。

 スペイン風邪の流行から100年、登紀子さんが歌い継いできた代表曲も約100年前の歴史の転換期に人々に希望を与えてきた歌です。

 フランスで起こったパリ・コミューンを象徴するスタジオジブリの映画「紅の豚」の主題歌「さくらんぼの実る頃」、ベトナム戦争の中で若者をつないだ「花はどこへ行った」など、時代と運命を共にした人々と深く結びついています。

 登紀子さんは「歌うことで、100年前の時代を生き抜いた人たちの“歌魂(うただま)”が私に力を与えてくれます。そして歌を聞いた方へその念が伝わっていくでしょう。今のこの時代、そして未来をどう生きていくのか、歴史の転換点を生き抜いた人たちの祈りや願い、そして希望のメッセージを伝える渾(こん)身のコンサートになると思います」と話しています。

 また、西本願寺が親鸞聖人生誕850年を記念した愛唱歌募集のプロジェクトで、1262通の中から選ばれた詩の3つに、加藤さんが曲を付けた新曲も披露されます。

 コンサートは11時半、16時の2回公演。7000円。学生・ユース2000円(座席範囲指定)。問い合わせ℡075・255・6586(アクティブKEI)、℡075・791・8240(京都芸術劇場、平日10時~17時)。