北陸新幹線延伸計画をめぐり、京都市右京区の住民有志が3月25日、同延伸計画の問題点を学ぶ懇談会を京都市中京区内で開き、30人が参加しました。

 「北陸新幹線計画の環境アセスメントの一旦停止を求める会」の榊原義道事務局長が計画の中身や問題点について報告。総工費2兆1000億円の同計画で、自治体の財政負担額が不明なことや費用が増大することへの懸念、大量の建設残土処分やヒ素など汚染土の処理、水源への影響など、数多くの課題があると指摘し、「京都を縦断する大規模な計画は、まったく未経験のもの。安易に進めてもらっては困る。府内全域でこの問題を考えていきたい」と述べました。

「地下40㍍だから大丈夫」で工事

 また、地下40㍍以深をトンネルで通過する大深度地下工事をめぐっては、東京都では外環道路建設で陥没事故が発生し、大問題になっているとし、「きちんと地盤を調査しなくても、『40㍍地下だから安全だ』という論理で法律が作られている。こんな乱暴な法律が京都で適用されていいのか。こんな法律を適用すべきではないと運動を広げよう」と呼びかけました。

 参加した右京区京北の住民は、町内でも同延伸計画が問題になり各地で学習会を行っている状況を説明し、「大量の残土や、ヒ素など汚染土が出るのではないかと不安が広がっています。お金の使い方もおかしい。地域で学ぶ取り組みを続けていきたい」と語りました。

 参加者からは、「総工費はもっと膨れ上がるのではないか」「京都市は財源がないと言っているが、こんな計画こそやめるべき」「もっと各地で学習会を開いてほしい」などの声が出されました。