平野一郎
イリーナ・メジューエワ、吉川真澄出演

 宮津市出身の作曲家・平野一郎は、故郷で初となる全作オリジナルの演奏会「海の聲(こゑ) ほろびても滅びえぬもの」を3月19日、宮津会館で開きます。老朽化と市の財政難などを理由に、今月末の閉鎖が決まっている同館への思いを込めます。

 丹後を起点に、日本列島各地の祭礼を取材した曲を発表してきた平野。浦嶋伝説が残る伊根町・宇良神社の延年祭に由来する「ウラノマレビト」、経ケ岬の龍伝説に由来する「りゅうのこもりうた 現代民謡」、丹後地方の神話・伝説・風土・歴史・文学の断片を散りばめた「天かける橋」など9曲を演奏する予定。

 「天かける橋」はソプラノ、ピアノ、弦楽四重奏団、今回の公演のために結成された合唱団によって演奏されます。

 出演はロシアに生まれ、モスクワのグネーシン音楽大学に学び、日本で活躍するピアニストのイリーナ・メジューエワ、平野作品の多くの新作初演をつとめてきたソプラノ歌手・吉川真澄ら。

イリーナ・メジューエワⓒ中村いさむ
吉川真澄

 平野は「海に面し、永らく丹後・宮津の文化芸術の発信地となってきた“母なる”宮津会館が廃止されるのは実に残念。太古から現代まで、丹後の連綿たる栄枯盛衰に思いをはせ、未来へと橋渡しをすることを目指し、宮津会館での一期一会のひとときを味わっていただければ」と話します。

 18時(17時開場)。3500円(前売り3000円)。問い合わせ☏0772・20・3390(みやづ歴史の館)、☏0772・22・1246(作曲家平野一郎朋の会)。

 同館ホワイエで15日~19日午前9時~17時(19日は17時~21時)、宮津市在住の画家・福岡清が丹後の海を描いた絵画展を開催。