京都市保育園保護者会連合協議会(市保連)は2月23日、コロナ禍のなかでの保育・子育てを考える講演会をオンラインで開催しました。

 長引くコロナ禍で、これまでに経験のない子育ての苦労や保育園活動に直面するなかで、–保護者が一緒につくる豊かな保育の意味を学び、考えようと計画。企画は、『親が参画する保育をつくる』の著者で、㈱日本総合研究所調査部上席主任研究員(子ども・女性政策)の池本美香さんの講演と市保連のアンケート調査の結果報告、ディスカッションで構成しました。

 池本さんは、効果的なコロナ対策で注目されるニュージーランド(NZ)の子育て支援の取り組みを紹介し、日本との対応を比較。

 NZは、教育省がホームページにコロナの特設サイトを設け、親に役立つ情報を発信し、24時間電話相談に応じる団体の情報も提供。親の支援方針を保育現場と共有し、対応やアドバイスを充実させるなど、国がメッセージを届け、混乱を回避していたと述べました。

 その背景には、「子どもの権利条約」に基づいて保育の質を見直し、親の保育参画を進めるNZと、子育ての責任が親にあり、保育サービスの「消費者」と見なす日本の保育観の違いがあると指摘。「日本も、子どもの権利条約に沿った対応をし、質の高い保育を受ける権利保障に向けた制度設計が必要」と話しました。

 市保連会長で佛教大学社会福祉学部の田中智子准教授が、市保連が行った昨年5月と今年1~2月のコロナ禍の子育てに関する調査や、保護者会活動に関するアンケートの結果を報告しました。

 これからの保育と保護者の参画のあり方についての意見交流でも、親の保育運営への参加や学習の機会を保障する北欧と、自力で子育てを任される日本の親の置かれた現状との違いが顕著となり、子どもの権利を保障する視点で親が声をあげること、保護者会活動や保護者同士がつながることの大切さが話し合われました。

 講演会は以下のURLから視聴できます。

 https://youtu.be/ngwxYY4SCEQ