京丹後市の米軍レーダー基地撤去を訴える「米軍基地いらんちゃフェスタin丹後」が11月8日、京丹後市内で開かれ、住民の安全を脅かす基地撤去を求めるとともに、米軍が繰り返す約束違反の背景にある日米地位協定の抜本改定を訴えました。新型コロナウイルス感染症対策として会場参加者を制限し、インターネットでライブ中継されました。

 主催者を代表して米軍基地反対丹後連絡会の藤原利昭副代表があいさつ。同基地や沖縄ほか各地の在日米軍基地で集団感染が発生したことについて、米軍基地を通じて入国する米軍人・軍属には日本の検疫体制が及ばないなど、日米地位協定の問題が浮き彫りとなったと強調し、「協定改定は差し迫ったものだ」と訴えました。

基地が“要塞化”、銃撃戦想定した訓練も「住民どうなる」

 「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」の永井友昭事務局長が現地報告。当初は「原則しない」としていた土曜工事が常態化していることや、レーダーサイト周囲に防御壁が設置されるなど「要塞化」した様子を報告。また、基地内での銃撃戦を想定した日米共同の防御訓練も実施されたことを紹介しました。騒音の原因である発電機の連続稼働や米軍人の酒気帯び運転による物損事故、集団感染の発生など重大問題が次々と発生していることをあげ、「元凶は特権を保障した日米地位協定。我々の基本姿勢は安全安心が守れないなら基地撤去だ」と強調しました。

 「米軍基地いらない府民の会」の片岡明事務局長は、11月の基地防御訓練では「装甲車で突入、銃撃戦という想定。そうなれば周りの住民はどうなるのか」と危険性を指摘。政府が敵基地攻撃能力の保有に言及するもとで、「経ケ岬が世界規模の戦争システムに合図を出す基地と再認識する必要がある」と訴えました。

 「米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会」「止めよう!経ヶ岬の米軍レーダー・危険な戦争準備を許さない緊急京都府民の会」が連帯あいさつ。

イージス・アショア配備撤回、秋田・山口から連帯報告「住民運動が力に」

 オンラインでイージスアショアの配備断念を勝ち取った秋田県と山口県の住民が報告。秋田平和委員会の川野辺英昭代表理事は、国会や県議会などへの署名提出や陳情などを行い、最終的に県内の全市町村で請願・陳情が採択され、県議会も反対を決議したと報告。昨年7月の参院選で「配備反対」を掲げる野党統一候補が勝利したことも衝撃を与えたと強調し、「防衛省は配備断念を言い出さざるをえない状況においこまれた」と述べました。

 山口県の萩市(配備候補地)と隣接する阿武町の「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動萩・阿武実行委員会」の米津高明さんは、萩市と阿武町にも住民団体が結成されるなど、撤回に追い込んだ原動力は「住民運動の力だった」と振り返りました。また、配備候補地の陸自演習場にはドクターヘリの発着場が隣接しており、京丹後市でのレーダー不停波による遅延問題で「地域住民に危機感が広がった」と語りました。

 沖縄平和運動センターの山城博治議長、米軍の迎撃ミサイル配備反対・撤去に取り組んでいる韓国の市民団体からビデオメッセージが寄せられました。

 同丹後連絡会の近江裕之事務局長が、京丹後市議会、府議会に日米地位協定見直しの意見書を求める請願署名を提起し、協力を呼びかけました。