85人が参加し、要求を交流したつどい(9月26日、宇治市)

 市長選挙(11月29日告示、12月6日投票)を控える宇治市で、「こんな宇治にしたい」と市民が願いを持ち寄るつどいが9月26日、同市内で開かれ、85人が参加しました。

 主催は、「戦争をさせない1000人委員会」世話人の新開純也さん、「使い捨て時代を考える会」顧問の槌田(つちだ)劭(たかし)さん、市民運動や労働組合の役員、市会議員ら14人の呼びかけ人による「『こんな宇治にしたい』プロジェクト実行委員会」です。

 この間、宇治市では、宇治公民館の廃止や大久保幼稚園の廃園を住民の願いに逆行して強行し、中学校給食の実施時期も明らかにしない市政に市民から不満や不信が募る中、現職市長が出馬しない意向を表明(9月16日)しており、宇治市政を展望した思いを語り合い、共有しようと開いたもの。「平和が一番どすえの会」の中村あゆ美さんと新婦人宇治支部長の水谷邦恵さんが司会進行し、参加者23人が各自の願いを書いたフリップカードを掲げて発言しました。

 中学校給食の実現を願って運動してきた母親は、約1万人の署名を2回提出し、4年前の市長選では候補者全員が、給食の実施を公約に掲げた経緯を紹介。「4年経ってもいまだ実施時期も明確に示されず落胆している。市長選挙は巻き返しのチャンス」と述べ、自校・親子方式による給食の早期実施を願い、「最良のものを子どもたちにと考える意気込みのある人に市長になってほしい」と話しました。

 宇治公民館存続の運動に取り組む女性は、サークル活動や発表などで年間6万人が利用してきた場をなくし、さらに公民館制度そのものの廃止を狙う市政を批判し、継続を訴えました。

 また、少人数学級実現の願い、PCR検査体制の強化や介護制度の充実、公共交通システムの構築、住宅改修助成制度の創設など、暮らしの願いが次々、語られました。

 呼びかけ人の一人で日本共産党の宮本繁夫市議もフロアから発言し、国が進める「観光立国」の実現には追随するが、公民館廃止反対でも、中学校給食の実現でも、市民多数の意見には考慮しない市政が行われたと酷評し、「出された思いをみんなで共有し、新しい市政を作っていくことが大切」と述べました。

 閉会で、中村さんは、「こんな宇治に」という思いの共有だけでなく、市長選で変えたいとの発言もあったと言い、「それぞれの立場で模索し実践しながら、力を合わせて、きょう出された宇治(の市政)を作っていければ」とあいさつしました。