少人数学級署名を呼びかける(左から)河口隆洋京教組委員長、本田久美子京都教育センター事務局長(8月8日)

 コロナの危険の中で学ぶ子どもたちに、少人数学級と豊かな学校生活の保障を―教育研究者有志が呼びかけて、オンラインで始まった(7月15日)全国署名が大きな反響を呼んでいます。京都でも、少人数学級の実現をめざして、この全国署名を広げようと、「子どもと教育・文化を守る京都府民会議」と「公立高校30人学級をすすめる会」が8月8日、「めざせ20人程度学級! 『少人数学級署名』を一気に広げる学習会」を京都市左京区の京都教育文化センターで開き、取り組みをスタートさせました。京都の署名目標は10万人。8月末を第1次集約(2次集約は9月末)とし、9月に安倍晋三首相と、萩生田光一文部科学相あてに提出します。

 「少人数学級署名」を一気に広げる学習会(8日)は、会場に60人、ZOOMで25人が参加しました。名古屋大学大学院の内田良(りょう)准教授が「教職員の働き方改革と少人数学級」と題して講演し、全日本教職員組合の宮下直樹副委員長が、署名の意義と全国の取り組みについて報告。参加者らが府内の運動を交流しました。

 主催者あいさつで、京教組の河口隆洋委員長は、コロナ感染防止と、子どもたちが安心して学べる環境の保障には20人程度学級に踏み出すしかないと指摘し、そのための予算確保の上で、9月提出の全国署名の重要性を強調。広範な人々と共同して府民的運動にしようと呼びかけました。

 全教の宮下副委員長は、コロナ禍を経て、「『今こそ、少人数学級を』と求める声が全国に一気に広がり、国や行政を動かし始めている」と強調。全国の知事会、市長会、町村会の3会長が連名で出した国への提言で、少人数編制を可能とする教員の確保を求め、また、全国連合小学校長会は国への予算要望書で、教育費をOECD(経済協力開発機構)諸国平均のGDP比5%にまで引き上げることや、教員の定数改善について、義務教育標準法(公立小中学校の学級編制と教職員の定数の標準を定めた法律)を改正して、定数の抜本的見直しを求めるなど、変化があることを紹介しました。

 さらに、萩生田文部科学相が衆院文部科学委員会(7月22日)で、日本共産党の畑野君枝議員の質問に、小中学校での40人学級の見直しも含めて検討を進めるとの考えを示したことにも言及し、これまで、国が少人数学級の実現を阻んできた理由は、切磋琢磨論と財政的に不可能という論調にあったが、感染予防の観点から学級規模を見直す必要性や、新自由主義的発想では通用しないことが明らかになったと述べました。

 市民運動では、コロナの経験と学校再開に際し、京都市をはじめ、全国各地で独自に少人数学級を求める署名が新たに広がっていること、教育無償化の推進や教職員定数の抜本的改善など、毎年、教育予算の増額を求めている全教の『えがお署名』が30年間で4億7000人分も積み上げられていることにふれ、「京都から大きな発信を」と署名運動を激励しました。

 意見交流では、保護者や教育関係者らが発言。5年後に1800人を超える児童数が予想される木津川市の城山台小学校の過大規模解消に取り組む「こどもの未来を考える城山台パパママ会」の母親は、感染症拡大防止の視点を加えて6月定例会に2度目の請願を提出したことなどを紹介し、「1800人規模の学校を作っていいのかと市民に伝え、教組とも連携をとって過大規模解消の運動を広げたい」と語りました。

 京都市に対して、1学級20人程度にするよう求める緊急要望署名を広げるなか、保護者有志で立ち上げた「先生ふやして!! 少人数学級@左京」のメンバーは、小学校区単位の教育懇談会を開き、出された意見を要望書にまとめて校長とも懇談した地域の取り組みを報告。校長が少人数学級の必要性を感じていると述べ、要望内容を市教委にも伝えると応じた経験を紹介し、全国署名を保護者の中で広げたいと話しました。

 京都市長宛に7090人分の少人数学級署名を提出したことに続き、全会員(約1万人)に全国署名を届け広げている新婦人や、教員、退職教員が取り組みを報告し、京都総評が決意を述べました。

 「子どもと教育・文化を守る京都府民会議」と「京都の公立高校30人学級をすすめる会」は、総理、文科大臣宛の全国署名提出後、引き続き、京都府議会(12月提出予定)、国会への教育請願署名に取り組みます。