“なぜこんな事業が再生エネ認定されているのか”

 福知山市のパーム油発電所の周辺住民が騒音や悪臭による健康被害に苦しんでいる問題で、日本共産党の倉林明子副委員長・参院議員は8月8日、現地を視察し、住民と懇談しました。同党の山内健衆院京都5区国政委員長、福知山市議が同行しました。

 現地視察では、「三恵パーム油バイオマス発電所被害の会」の三谷義臣代表が騒音や悪臭、ばい煙による睡眠障害や体調不良などの被害状況を説明。事業者が発電所稼働前に、騒音や臭いのレベルについて説明した事項が守られていないこととともに、被害発生後の十分な対策も行われていない実態を示し、「なぜこんな事業が国のFIT制度で許可されているのか。再生可能エネルギービジネスに群がっている(悪質な)事業者を追い出してほしい」と強調しました。

 懇談では、特に大きな被害を受けているという約10世帯の住民が参加。三谷代表は騒音と悪臭に耐えられず引っ越した世帯もあると語り、「稼働から3年間、想像を超える悪臭と騒音をまきちらしている」と訴えました。

 他に、「音と臭いで疲れていて、家に帰ることが嫌になる」(女性)、「(経済的に可能であれば)引っ越したい。それぐらい追いつめられている」(男性)、「こんなに苦労しているのに、なぜ行政は動いてくれないのか」(男性)など切実な訴えが相次ぎました。

 倉林議員は、「深刻な事態が発生しており、FITの規制強化を進めなければいけないと改めて思った。憲法で保障された人権と暮らしが守られるよう、住民に寄り添いながら取り組んでいきたい」と述べました。