騒音・悪臭が問題となっている三恵福知山バイオマス発電所

 福知山市土師(はぜ)で三恵観光が運営するパーム油発電所(三恵福知山バイオマス発電所)の周辺住民107人が7月30日、同社と市を相手取り、騒音・悪臭の対策や損害賠償を求めて京都府公害審査会に調停(※)を申請しました。

 同発電所は2017年6月に稼働。申請書などによると、発電所は住宅から40メートルほどしか離れておらず、稼働直後から騒音と油を焦がしたような悪臭が漂うとともに、発電機の始動・停止時には煙も排出されています。近隣住民は、めまいや睡眠障害、ストレスによる体調不良などの苦痛を受けてきたとしています。

 また、稼働前に三恵観光は騒音について住宅側の外壁で50デシベル、臭いについては気にならないレベルと説明し、これらが達成できなければすぐに対策を講じるとしてきました。しかし近隣住民が要求しても十分な措置がとられていないため調停を申請したとしています。

 申請では、○臭気は境界で気にならない程度(臭気指数10以下)○騒音は最大で50デシベル以下○国のガイドラインに基づいた事業運営○過去および将来の苦痛の賠償─などを求めています。

 市に対しては、○要求している臭気や騒音のレベルを基準とする条例の制定○三恵観光が稼働前に説明していた規準を守るよう指導する○騒音・臭気・ばい煙の継続的な測定─などを要求しています。

 住民代表の三谷義臣さんは「発電所稼働から3年たつが、状況は改善されておらず、近隣住民は我慢の限界です。今年3月から稼働が停止しており、一時的に以前の環境が戻ってきていますが、再びの環境悪化を許さないという気持ちです」と語っています。

 ※3人の委員からなる調停委員会が紛争の当事者を仲介し、双方の話し合いによる合意に基づいて紛争の解決を図る手続き