新型コロナウイルス感染防止対策で緊急事態宣言は解除されたものの、ホールの使用に関して政府方針や京都府のガイドラインで使用座席を制限する一方、使用料金については据え置かれているため、利用する文化・芸術関係者から「採算が合わない」「使用料を下げられないか」などの声が上がっています。京都コロナ対策文化ネット(代表呼びかけ人・竹内守・京都映画センター代表)は6月26日、京都府に対し、「WITHコロナにおけるイベント実施に対する要望書」を提出しました。

 現在、政府方針では、利用座席の上限を50%、府のガイドラインでは、使用座席は2分の1以下とし、座席間隔は2㍍を目安に最小1㍍とるよう求めています。

 使用座席数を、京都府立文化芸術会館(京都市上京区)は419席に対して最大213席、京都府立府民ホールアルティ(同)は420席に対して最大210席、京都府丹後文化会館(京丹後市)は3席開けて座るとして760席に対して最大200席とし、料金については「利用者から『安くならないか』との要望を聞きますが、条例で定められており、館の判断で変えられない」(会館側)といいます。

 ある鑑賞団体の役員は、「今まで2ステージで見られたのに、使用座席を減らされると1ステージ増やす必要があり、劇団や会場への支払いが総計で約250万円増え、とても採算が取れない。団体の存続そのものが危ぶまれる」と語っています。

 これらを踏まえ、京都コロナ対策文化ネットは▽ジャンルや地域によって感染リスクは違うため、(一律50%以下とせず)きめ細やかな対応を▽経費増加分の全額補償を▽自治体が率先してイベント実施を―などを求めました。

 対応した京都府文化芸課長は「民間との関係もあり料金を下げることは難しいが、補助制度を活用してもらいたい」と話しました。

 府議会文教常任委員会が6月24日開かれ、日本共産党の成宮真理子議員はコロナ禍のもとでの文化団体の窮状を説明し、「せめて会場費の半減や経費増加分の支援を」と求めました。