ハッチョウトンボ(オス)
開発の影響受けやすい、住民「保全措置求めていく」

 京都府の登録天然記念物で、府のレッドデータブックで準絶滅危惧種にも指定されているハッチョウトンボが、今年も相楽郡南山城村のメガソーラー建設予定地近くで生息していることが確認されました。住民らは「希少な種を保全するよう引き続き府や村に求めていく」と話しています。

 ハッチョウトンボは体長1~2㌢で、日本一小さいトンボとして知られ、オスは赤色、メスは黒と黄色のしま模様が特徴。

 府のレッドデータブックでは「湧水のある小さい湿地や休耕田など不安定な環境で発生することが多く、道路拡張工事や開発などによる影響を受けやすい。府内では、ゴルフ場建設により消滅した産地も多い」などと書かれています。

 昨年6月に確認されたものの、7月には確認できなくなったため、生息が不安視されていましたが、今年6月、オス、メス合わせて数匹が「南山城村の自然を守る会」(橋本洋一代表)のメンバーによって確認されました。

 同会は、希少な種を守るため、京都府に再三、メガソーラー建設計画の中止を要望。2018年8月には、京都府弁護士会所属の43人の弁護士が連名で府と南山城村に対し、保全に向けた措置を講じ、措置が完了するまで開発許可手続きを中止するようを申し入れていました。しかし、府は保存に向けた措置を講ずることなく、開発を許可しました。

 同会の橋本代表は、「府は、開発業者が委託した会社による環境アセスメント調査結果や、環境保全策を是として開発を許可したが私たちは全く納得していない。府や村が責任をもってハッチョウトンボをはじめ建設予定地内の希少動植物の調査と保全を講ずるよう引き続き求めていきたい」と話しています。