相談に応じる(左から)池田、久保田氏ら(4月14日、東山区)

 新型コロナウイルス感染拡大防止のために、政府が補償をしないまま打ち出した自粛要請が、飲食店、ライブハウスなど自営業者の経営を直撃しています。業者の生業(なりわい)と暮らしを守ろうと、京都市内の上京・中京・下京の各料理飲食業組合と京都府商工団体連合会(京商連)が4月14日、京都市東山区の弥栄自治会館で、「ワンストップ相談会」を開きました。

 開始時間の前から始まった相談会には、店にポストインされた案内チラシや、SNSで探して見つけたという経営者らが、資金繰りや融資の相談に足を運びました。祇園でライブハウスを経営する男性(43)は、「2月に店をオープンしたばかり。新型コロナ被害に対応する融資に借り換えができないか」と考え訪れました。

 男性は、ミュージシャンから転身し、ライブを企画するイベンターとして活動するようになり、「若い人との世代間交流をテーマに音楽活動やイベントを応援したい」との思いで、ようやく店を手にしました。土・日曜のライブスケジュールが埋まり、軌道に乗りかけた矢先だったと言います。新型コロナの影響でキャンセルが相次ぎ、イベント営業を自粛することになりました。

 相談に応じた京商連の池田靖事務局長は、借り換え融資の条件変更はできること、無利子・無担保の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の申請を呼びかけ、「疑問があれば声をあげよう。解決できる」と激励しました。

 京商連の久保田憲一会長は、福岡市がこの日、休業協力した事業者に上限50万円の家賃支援、ライブハウスなどにも経費支援として独自支援を発表したことを紹介し、「京都市でも独自支援制度を作るよう要望したい。あらゆる方法を使って踏ん張ろう」と声をかけました。

 SNSで相談会を見つけたという、クラブを経営する法人の男性は、日本政策金融公庫も信用保証協会からも、業種を理由に融資を受けることができず相談にきました。

 店の固定費に約100万円。営業時間を短縮し、出勤人数を減らしても、従業員への給与を保障しようとすると見通しがつかないと言います。「従業員に、やめてとは言えない。店を閉め、破産するしかないのか」との思いが頭をよぎりました。

 池田さんから、従業員も個人事業主として申請できる補償制度があることを紹介され、「そんな制度は、教えてもらったことがない」とぽつり。「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の申請に挑戦することにしました。

 祇園で居酒屋を営む女性(66)は、家賃の支払いを大家から「借金してでも払え」と言われたと資金繰りに困って相談。「店を開けていてもお客さんはゼロ。開けていることを〝非国民〟みたいに見られる感じもある」と訴えました。

 「これまで、消費税も酒税も納めてきた。それなのに、国は何もしてくれないことがよくわかった」と政治への怒りもあらわにしました。

常時相談受付→0120・22・0000

 京商連では、引き続き、申請できる融資制度の紹介をはじめ、営業継続へのアドバイスなど、常時相談を受け付けています。フリーダイヤル0120・22・0000。

■融資も減免も“一括”の窓口を

 京商連事務局長・池田靖さんの話 

この間、京商連では新型コロナウイルスに関わる相談窓口を設け、飲食、観光関連やイベントなど幅広い業種の方から、売り上げが激減し、先行きが見えないという相談が寄せられています。

 14日の相談会では、今まで接点がなかったライブハウス経営者の方なども相談にこられ、

「親身に相談に乗ってくれてうれしい」「こんな支援制度は初めて知った」などの声が寄せられました。

 行政の相談窓口は、それぞれの分野ごとに分かれており、困っている人の総合的な支援に対応できていません。さまざまな融資制度だけでなく、生活資金の小口貸し付け制度、税や国保料などの支払い猶予や減免制度など、多くの支援制度があり、それらをワンストップで相談できる窓口が必要だと実感しています。

 また、経営者だけでなく、パートやアルバイトの方、大学生など、今の雇用調整助成金制度の枠組みでは救済できない労働者も多く、新たな支援制度が必要です。

福岡や東京で給付制度創設

 福岡県では、休業に協力した事業者に賃料の5分の4、上限50万円を支給する制度を打ち出したり、東京都でも休業に協力する企業への給付金制度創設が表明されています。

 国も全国民を救済する給付金支給や、消費税の減税など、思い切った制度を打ち出してほしいと思います。自粛と給付をセットにして感染拡大を防止し、事業者の経営を守る手立てこそが必要です。