教育福祉委員会で発言する自民党の中村議員(録画映像より)

 「小学校のような全員制の中学校給食をめざす連絡会」が昨年11月に京都市議会に提出した、小学校のような全員制の中学校給食の実施を求める請願が2月5日の教育福祉委員会で審議された際に、自民党議員が請願権を否定するような発言を行い、市民から怒りや抗議の声が上がっています。

 この日の質議で、自民党の中村三之助議員(上京区選出)が、全員制の中学校給食が市長選の争点になったことを認めた上で、「結果は出た。また、(議論)やるのは多くの民意を無視」「一刻も早く(実施)などと言うな」と発言。さらに、「毎度まいど、同じような繰り返しは不要なエネルギーを出すことで、税金の無駄遣い」、「全員制の給食をやってほしい、やってほしいという話が毎回くるようであれば、何を考えているのかと申し上げたい」などと主張しました。

 ユーチューブで委員会審議の録画を視聴した市民らが、ツイッター上で、「『何回も言うな! 毎度繰り返しは税金の無駄遣い』と言うが、それならさっさとやればよい」、「市長選挙で門川さんが信託を得た、市民請願を何度も同じこと言わせるな! みたいな傲慢(ごうまん)さ。門川信任票は有権者の5人に1人。批判票の方が多い」(原文のまま)などと批判。動画のアドレスとともに拡散されています。

 要望署名を広げ、約1000人から集めている長田奈央さん=山科区=は、請願審議の模様を初めて視聴しました。中学生の26・7%しか食べていない現行の注文給食の実態や、署名に託された願いに応えるという態度がみられない議員の姿勢は残念だと話し、「同じ請願を何回も出すなと言うのなら、早く実施してと言いたい」と憤慨。署名に協力してくれた人たちから、「また、署名するよ」との励ましがあり、「多くの市民が、議会での議論を注目しています。みんなは諦めていません」と話しています。

 請願の取り扱いをめぐっては、日本共産党は、採択した上で、市教委の実施した生徒、保護者へのアンケートの結果の分析と併せ、3月の委員会で議論するよう求めましたが、自民党をはじめ他党会派の議員の意向により、留保となりました。

次回委員会へアピール行動

 新婦人京都府本部と同「連絡会」は、次回3月17日に開かれる教育福祉委員会に向けて、同請願の採択を求める要請行動を呼びかけています。要請文と一言メッセージを添えて同委員(14人)宛にファクスを送るほか、27日には、市役所分庁舎入口に集合(正午)し、プラカードなどを持ってアピールする予定です。行動参加を募っています。

請願権を否定、撤回を 「小学校のような全員制の中学校給食をめざす連絡会」が抗議声明

 「小学校のような全員制の中学校給食をめざす連絡会」は16日、請願審査が行われた教育福祉委員会(5日)で、請願権を否定するような中村三之助議員の発言に対して、抗議と真摯(しんし)な審議を求める声明を発表しました。

 声明では、教育委員会に1月28日に提出した「小学校のような全員制の中学校給食」を求める要望署名が、2万2000人分以上も集まったように、「市民の要望は強く、切実」だと指摘。

 また、請願権は、憲法16条に掲げられた権利であり、請願を受けた機関は誠実にそれを処理する義務(請願法第5条)を負っているとして、中村議員の発言が第5条に反し、請願権を否定しているのではないかと問題視して、▽2月5日の教育福祉委員会での中村議員の発言に強く抗議し、発言の撤回▽教育福祉委員会は、引き続き真摯に請願審議を行うこと─の2点を求めています。

「連絡会」が取り組んだ早期実施を訴えるアピールウオーク(1月13日)