コウノトリ
足輪が確認できる「ひかり」=2019年12月23日 撮影:西尾長太郎

 特別天然記念物のコウノトリが城陽市に飛来していることが、昨年12月、「城陽環境パートナーシップ会議」運営委員の中川宗孝さんらが目視で確認、メンバーの西尾長太郎さんが撮影に成功しました。コウノトリの確認は2008年に同会議が結成されて以後初めて。

 コウノトリはバードウォッチングを趣味とする門田由香里さん(木津川市在住)が昨年12月15日午後、同寺田の文化パルク城陽南側の田んぼで発見。後日、双眼鏡で足環などからコウノトリと確認しました。この情報をもとに調査にはいった中川さんは22日、文化パルク城陽南側で同会議調査員の鳥垣咲子さんとともに飛来を確認。西尾さんが撮影に成功したものです。同市には目撃情報が寄せられていました。今年1月になっても滞在が目撃されています。

 中川さんは、コウノトリの写真に写っていた個体識別用の足輪から、この個体は2018年に5月に福井県越前市にある同県の飼育施設で生まれ、同年9月に足環とGPSを設置され放たれたメスの「ひかり」だといいます。GPSの記録によると同年、三重県明知町、愛知県日進市から千葉県館山市に移動し長期滞在。昨年12月15日に城陽市に飛来していることになっていました。

 中川さんは「今回、足輪から個体が確定されて意味は大きい。飛来が確認された場所の東には鴻ノ巣山(標高118㍍)があり、地名から江戸時代までここでコウノトリが営巣していたことはほぼ間違いない。同市で越冬し、将来的には繁殖もしてほしい」と語っています。