京都子どもネット
京都子どもネットの学習会で講演する住友剛氏

 京都市で子どもの権利条例の制定をめざして、取り組みを進めている「子どもの今と未来を考える―京都市に子どもの権利条例を―ネットワーク」(略称・京都子どもネット)は9月21日、京都精華大学の住友剛教授を講師にした学習会と結成2周年の総会を、京都市左京区の京都教育文化センターで開きました。

 あいさつで、高垣忠一郎・共同代表は、子どもを個人・権利主体としてリスペクト(尊敬)することの重要性を強調し、権利条例づくりの過程にあたって、市民が子どもを尊敬する気持ちになるような運動にしようと期待を込めました。

 住友氏は、「『はぐくみ憲章』から『子どもの権利条約』へ」と題して、京都市が2007年に制定した「子どもを共に育む京都市民憲章」(略称・はぐくみ憲章)とその推進条例(11年)を、他都市の「子どもの権利条約」の具体化施策と比較し、改善の必要性について論じました。

 兵庫県川西市の子どもの人権オンブズパーソン条例は、子どもを「権利行使の主体者」とし、子どもの人権の擁護に不断の努力がされるよう規定しているが、京都市の憲章は、「子どもの意見表明」や「参加・参画」という視点がないことを指摘。推進条例にある見直し規定を使い、「ひとりの市民としての子ども」の感覚で子どもの支援施策の底上げを図ることを提案しました。

 総会では、この間、子どもに関わる分野の人をパネリストに、子どもの状態を共有し、未来を展望するシンポジウムや、子どもの意見・表明の一環としてのアンケートの実施など、2年間の取り組みを報告。今後、子どもの実態やアンケートに寄せられた声を生かして、政策化することを確認しました。

【2019年10月3日午前9時25分追記】訂正 ◯4段落目の冒頭「自身が制定に関わった」→削除 ◯4段落目の2行目「養護」→「擁護」