八幡市男山ソーラー
太陽光発電施設建設工事で無残に削り取られた男山の山肌。造成用道路は無届出で強行されたもの。麓の住宅は大谷地域 ドローン撮影:松本博

 元暴力団組長が実質的に経営する大阪市の企業「コスモスエナジー」が、国宝石(いわ)清水八幡宮をいただく八幡市男山に太陽光発電施設の建設を計画している問題で、住民団体と地域から出された太陽光発電施設建設反対などを求める2件の請願が3日の八幡市議会9月定例会開会本会議で審議され、全会一致で採択されました。

 請願提出者は「男山の太陽光発電建設反対実行委員会」の共同代表・石野喜幸氏のほか933人と、八幡市三区の奥村芳治区長、同四区の椙原寛之区長ほか21人。日本共産党市議団をふくむ6会派代表と無会派議員1人をあわせ7人が紹介議員になりました。

 両請願とも、建設計画は、市民が誇る男山の歴史的文化的自然景観を破壊し、豪雨などの際に計画地から土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域に指定されている周囲(麓)、下流域に土砂災害をもたらす─と懸念を指摘し、▽計画反対▽男山を太陽光発電施設建設禁止区域とする条例制定―を求めています。

 反対実行委員会の請願では、業者は当初5ヘクタールの施設を計画しながら林地開発の申請が不必要な1㌶以下に抑え、宅地造成工事規制区域であるにも関わらず無届け工事を強行するなど、悪質であることを強調。

 八幡市の三、四両区区長の請願は、箕面市や亀岡市を例に、景観保全や防災上の理由から太陽光発電施設の開発禁止区域を設定する動きが進んでいることを指摘しています。