口頭弁論終了後に開かれた報告集会

 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員にツイッターやインターネットテレビ、雑誌などで誹謗(ひぼう)中傷され、名誉を傷つけられたとして牟田和恵・大阪大学人間科学研究科教授ら研究者4人が杉田氏に対し、計1100万円の損害賠償などを求めた訴訟の第一回口頭弁論が5月24日、京都地裁(久留島群一裁判長)で行われ、杉田氏側は認否を争う姿勢を示しました。次回の弁論は7月30日午前11時半の予定です。

 京都地裁には200人を超える支援者が詰め掛け、大法廷(80人)に入りきらずに、弁護士会館の地下ホールへ移動。弁論終了後、同ホールで報告集会が行われ、上瀧(こうたき)浩子弁護士が訴状を説明。原告や傍聴に入った支援者が決意を語り、交流しました。

 原告は2014年から17年度に日本学術振興会の科学研究費の助成を受けた「ジェンダー平等社会の実現に資する研究と運動の架橋とネットワーキング」の研究者で、牟田教授のほか、岡野八代・同志社大学教授、伊田久美子・大阪府立大学教授、古久保さくら・大阪府立大学准教授。訴状では、杉田氏が昨年3~7月、▽科研費の不正使用と疑わせる内容をツイッターなどで発信▽「慰安婦」問題の研究内容について「ねつ造」「反日」「日本の国益を損なう」などと繰り返し誹謗したとしています。

 報告集会では、原告が提訴への思いや決意を発言。牟田教授は被告の言動内容について「研究への無知と無理解からの発言だ。国会議員として憲法に基づく男女平等を実現していく立場なのに、理解に苦しむ」、「自分の研究に対し『国益に反する』と批判、中傷され、黙っているわけにはいかない」(岡野氏)、「研究を『ねつ造』と批判されることは研究者にとってどんなに重いことか。フェミニズムやジェンダー研究が科研費対象となるまで、先人たちの努力がある。杉田氏の発言は時代に逆行する」(伊田氏)、「研究者への攻撃に対し、ここで歯止めをかけないと、この先何が起こるのか。見過ごせなかった」(古久保氏)などと話しました。

 支援者からは、「フェミニズムだけへの攻撃ではない。自分のこととして声を上げたい」「権力者はつぶせると思っているかもしれないが、負けるわけにはいかない。連帯し、闘いたい」などの熱い思いが語られました。

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