亡国の安倍農政の転換を訴える紙参院議員の報告に耳を傾ける府北部の農業者ら(9日、福知山市内)

 日本共産党の紙智子参院議員(党農林・漁民局長)を迎え、「農業のきょうと明日を考えるつどい」(実行委員会主催)が12月9日、福知山市内で行われ、府北部の農業者ら130人が参加。府北部の農業をめぐる現状や農政への要望について、参加者からの発言を受け、紙、倉林明子両参院議員、原田完府議が答えました。

 福知山市大江町で地域おこしに取り組んでいる男性は、村づくりと一体で農地を守る活動を展開していると紹介し、「地域の取り組みへの交付金が減っている。各地域の取り組みに光をあてて支援する恒久制度が必要」と語りました。

 同市三和町の農家の男性は、種子法の廃止について、「グローバル企業の遺伝子組み換え作物の種子が入ってくる。在来種を守るため、府の種子条例をつくってほしい」と要望しました。

 また、各地で担い手不足が深刻化しているという声が相次ぎ、福知山市の農家からは、「新規就農者の給付金だけでは、機械の費用など運転資金が足りない。また制度と新規参入者のニーズにずれがあり、きめ細かな支援の整備が必要」と訴えました。

 京丹後市の発足後間もない農業法人の男性は、「大規模化推進の農政ではなく、地域の実情にあわせた農政を」と訴えました。

 発言を受けて紙議員は、国連が来年から「家族農業の10年」に位置づけ、世界の8割を占める小規模・家族農業の支援を呼びかけるなど、国際的な流れを紹介しました。

 一方で、農産物の自由化推進で大規模化一辺倒の安倍農政は全く逆行しており、「この亡国の農政が続けば、皆さんの努力が報われない」と強調。「それぞれが元気にできるよう、小規模・家族農業を農政の中心に据えないといけない」と農政の転換を訴えました。

「集落営農」支援へ実態調査実現

 倉林議員は、農業問題に取り組む意欲を語り、「みなさんの切実な声を国会に届けたい。市民と野党の共闘で農政の根本的な転換へとつなげていきたい」と力を込めました。

 原田府議は、府に地域を支える集落営農の実態把握調査を要求し、実現したことを紹介。「現状では、府による集落営農への支援が全く行われていない。ここを支援しきるため、議会にしっかり声を届けたい」と語りました。

 会場からは、「コメの戸別所得補償廃止で、赤字経営が見込まれる」「消費税の負担が重い、これ以上の増税は大変だ」などと次々と発言がありました。

 最後に紙議員は、「現場から声を出していただき、勉強になるとともに励まされた。市、府と連携しながら国会でも追及していきたい」と述べました。

 同党の後野和史府議候補(舞鶴市区)が閉会あいさつをしました。

 司会は、京都農民連の安田政教氏、同党の大槻富美子府議候補(福知山市区)が務めました。