米外資系企業「FS(ファースト・ソーラー) Japan Project6合同会社」が南山城村と三重県伊賀市でメガソーラー建設を進めようとしている問題で、同社が昨年12月に公表した住民の意見書への見解書と自主環境影響評価報告書(自主アセス)についての住民説明会が15日、月ヶ瀬ニュータウン自治会の要請により同ニュータウン集会所で開かれ、村と伊賀市の住民ら約140人が参加。20人以上が、両文書の虚偽記載や問題点などを指摘しました。開始4時間半後も質問が終らず、同自治会は説明会の再開催を業者に求めました。

■「見解書」・自主アセスに虚偽記載、説明変更

 冒頭、米国ファースト・ソーラー社の日本法人と南山城村・伊賀市の事業だけの目的会社FS6社との「関係がわからない」などの質問が集中。

 見解書で、ディベロッパーと反社会的勢力との関係が問題となった件で「反社会勢力との関係は排除」とだけ記述していることについて住民は「証拠書類の提示を」と求めましたが、業者は守秘義務を盾に拒みました。

 事業終了後の計画について「山に戻す」との当初説明を「撤去・植林計画の詳細は、撤去時期に関係者と協議」に変更している点を住民は批判。事業後のため池の管理についても疑問が出ました。さらに、大雨の際、上流からの土石流などで造成地が被害を受け、計画地内の雨水が一気に河川に流入する危険性も指摘されました。

 自主アセスで、住民立ち会いで追加の景観調査をした結果、「景観に著しい違和感を与えることはないものと判断」と書いている点について、立ち会った住民から「パネルが見えると互いに確認した。私は、『景観に著しい違和感を与えることはない』と判断していない。虚偽記載の削除を」と要求。「校舎からも見える」「造成、人工植林されたら美しい景観は壊される」との意見も出ました。

 希少動物の移動をうながし、希少植物は移植するとの方策についても、住民は、「移植は不可能」との植物の専門家の見解をもとに批判しました。

(写真=住民説明会の会場を埋めた参加者)

(「週刊京都民報」4月22日付より)