福知山原水協の元代表として、福知山市での平和運動をけん引した2氏の遺志を引き継ぎ、核兵器の無い平和な世界をつくる運動の力にしようと、京退教や原水協を中心につくる実行委員会がこのほど、2氏の追悼文集をまとめました。

 2氏は、2015年8月に83歳で亡くなった元中学校教諭の故・赤壁辰治さん、17年1月に80歳で亡くなった元小学校教諭の故・足立喜公さんです。赤壁さんは92年から99年まで、足立さんは2000年から12年まで、原水協代表を務め、地域での草の根の平和運動を支えてきました。

 追悼文集はA5判104㌻。昨年8月、2氏の追悼集会を開いたことなどをきっかけに、制作を進めてきました。2氏の同僚や同級生ら23氏が寄稿し、故人が尽力した原水禁世界大会への代表派遣や旧町域での平和行進実施など活動の歴史とともに、当時の地域での平和・社会運動の歴史を概観できる内容となっています。

 足立さんの同級生の細谷陽一・実行委員会副委員長は、「赤壁さんは戦争体験と戦後の民主的な教育のもと確固とした反戦・平和の思想を築き、地域の平和の取り組みのかたちをつくってくれた」と語ります。

 赤壁さんについて原水協の大西勝己事務局長は「代表として原水協の組織活動の立て直しに尽力された。大らかな性格で不思議な大きさを持った人だった」と振り返ります。

 文集では教職員組合も務めた2氏の足跡とともに、20年間分に及ぶ活動の写真も掲載。また、絵画や釣りなどの趣味も紹介し、2氏の人柄もしのばれる内容となっています。

 実行委員会では、「昨年は核兵器禁止条約が採択された歴史的な年。条約にサインする政府をつくるためにも2人の足跡に学び、運動の力にしたい」と決意を新たにしています。

 500円。問い合わせ☎0773・22・2134(福天教育会館)。

(写真=文集を手にする大西事務局長〔左〕と細谷副実行委員長)

(「週刊京都民報」4月15日付より)