京都市のゆがんだ観光政策で進む“京都破壊”についての学習交流集会(自治体要求連絡会主催)が9日、京都市中京区のハートピア京都で開かれました。

 神戸松蔭女子学院大学の中林浩教授が「京都の開発・観光をどう考えるか」と題して講演し、「大規模開発への幻想が続いているが、実際には経済を発展させない」と指摘。2016年の名目GDP(国内総生産)は、世界22位でしかないと指摘。京都府の一人当たりの県民所得は、近年全国15位前後で推移しているのに比べ、蜷川府政時代の1971年には5位だったことを紹介。農林水産業と中小商工業への支援を重視し、地域の産業を破壊する大規模開発を許さなかったことが影響していると述べ、歴史都市・京都では、景観や文化財の保全こそ経済を発展させると強調しました。

 中島晃弁護士は、京都市内のホテル開発バブルについて、観光収益の増大だけを追求する市のゆがんだ観光政策と過剰な宿泊施設誘致策が原因と指摘。市内のまちこわしの実態をリアルに見きわめる調査・学習や地域を守る旺盛な住民運動とともに、行政姿勢の転換が必要と述べました。