4月8日投票の府知事選(3月22日告示)に立候補を表明している弁護士の福山和人氏を迎え、「いのちに寄りそい憲法いかす2・21府民大集会」(同実行委員会主催)が2月21日、京都市左京区のみやこめっせで開かれ、府内各地から4500人が参加。福山氏を応援する広範な市民運動のメンバーらが「福山知事で新しい府政を」と訴え、福山氏が「必ず勝利し、府民の願いを実現する」と決意表明しました。

 福山氏は、弁護士生活の中で印象に残った出来事として、母親の介護で離職したものの生活保護を受けられないまま行き詰まり、母親の殺害に至った事件を紹介。このような悲劇を生んだのは、「政治の責任だ」と強調しました。府内でも、就職しても多額の奨学金返済を抱える若者、社会保障改悪に苦しむ高齢者、中小企業などが厳しい状況に置かれていると指摘し、「府にできることはたくさんある。すべての府民の暮らしを全力で守ること。府のおかげで助かったといえる府政をつくる」と力を込めました。
 
 その上で、貧困ストップ、雇用と暮らし、原発再稼働ストップ、地域を守ることなどを訴える重点政策を紹介し、「(広範な市民の)つながりが確実に広がっている。今こそ心一つにつなぐ京都をつくっていこう」と呼びかけました。
 
 NPO法人「市民環境研究所」の石田紀郎(のりお)さんが連帯あいさつ。自身が、原発問題に取り組んできたことを紹介し、「地方自治体が原発に対して何も言わないと自分の身を守れない。未来を開く地方自治のため福山さんに勝利してほしい」と訴えました。大学院生の西郷南海子(みなこ)さんから「一人ひとりが力を出し合い、つなぐことで新しい政治、選挙をつくっていこう」とビデオメッセージが寄せられ、紹介されました。

 「民主府政の会」の梶川憲代表は、自民、公明、民進が「相乗り」擁立する相手候補について、官僚として大型開発を推進するとともに、「自己責任」の名のもと原発事故の被災者切り捨てを進めた人物であると指摘。「市民とともに運動してきた府民の代表、福山さんと好対照。相手が自己責任で分断を持ち込むのなら、こちらはつなぐ府政を必ずつくろう」と訴えました。

 「民主府政の会」に参加する、日本共産党京都府委員会の渡辺和俊委員長は、府知事選は時の政権が戦後初めて憲法改悪に踏み出そうとするもとで行われると強調し、「福山さんが知事になれば改憲のたくらみに大きな審判下す結果になる」と訴え。市民運動のメンバーらとの共同が広がるもと、京都の立憲民主党に対して、「今からでも遅くない。これまでのいきさつを乗り越え、力を合わせよう」と呼びかけました。

 主催者を代表し、「民主府政の会」代表の森川明弁護士があいさつ。弁護士の津島理恵さん、福島からの避難者の福島敦子さん、フリージャーナリストの守田敏也さんが福山氏の人柄と魅力を語り、「福山知事誕生を」と訴えました。

 また、高すぎる国保料の引き下げ、給付制奨学金の創設、ブラック企業・バイト問題の解決、亀岡のスタジアム建設反対など、各分野・地域からの要求が出されました。

 初めて知事選集会に参加したという保育士の村中秋帆さん(23)は、「福山さんはとても気さくで、親しみやすい人柄に感じました。保育士の処遇改善にも取り組んでほしい」と話していました。