上方を中心とした三味線音楽・地歌を継承していこうと1989年、野田弥生(箏)、菊原光治(三弦)、三好芫山(尺八)の3氏で始めた勉強会「むしぼしの会」が12月25日、最終回を迎えました。三好氏らは、京都市上京区の京都ブライトンホテルで「新青柳」を披露し、パーティーで思い出を語りました。

 野田弥生さんのリサイタルの打ち上げの際、「地歌の暗記の勉強会をしよう」との話が持ち上がったのが始まり。京都、大阪などで180回、開催し、覚えた71曲を18枚のCDに収録してきました。

 最終回は、菊原さんの体調を悪化により、急きょ弟子の菊寺智子さんが登壇。3氏で、歌詞を能『遊行柳』(『源氏物語』若菜の巻から引用)に取材した京都を代表する名曲「新青柳」(作曲・石川勾当、箏手付・八重崎検校)を演奏しました。

 演奏に先立ち、邦楽評論家の野川美穂子さん(東京藝術大学講師)が曲の解説をしました。