■「憲法9条京都の会」事務局長

 9月から新しく会の事務局長になりました。安倍政権の改憲を阻止するとの決意を新たにしています。安倍首相はすでに、2020年には改憲の施行を目指すと宣言。総選挙で、改憲勢力が圧倒的多数を国会で占めたことを踏まえ、自民党は来年の通常国会で憲法審査会に改憲案を示し、発議を目指す方針です。早ければ、来年10月から12月には国民投票の可能性もあります。平和憲法は、戦後最大の危機に直面していると言っていいでしょう。

 一方で、改憲を許さない確かな世論と憲法を守る市民の運動が広がっています。総選挙の比例代表で、護憲勢力が集めた票数を見るなら、そのことに手応えを感じます。3000万署名で9条の値打ちを広げるとともに、9条に3項を加えて自衛隊を明記するという安倍首相の改憲案の危険性、本質を知らせるなら、必ず改憲は阻止できると思っています。

■〝変質〟自衛隊が大手振って

 安倍首相は改憲案について、自衛隊の災害救助や専守防衛の役割を明確にするだけで、問題ないと述べています。しかし、集団的自衛権の行使が閣議決定され、「戦争法」が強行されたもと、自衛隊の役割は日本が攻撃をされていなくても他国に武力行使ができる存在へと変質しています。その自衛隊が憲法に明記されるなら、国民から存在が承認されたものとして、自衛隊が大手を振って市民生活や学校教育の場に入ってくるでしょう。予算も増強され、自衛隊の活動を批判する市民の活動が抑圧される危険性もあります。

 「戦争法」反対をめぐる運動では、市民運動と法に反対する議員の国会論戦が互いを励まし合う取り組みとなりました。今回も市民が政治とのつながりを強め、草の根からの運動を広げに広げたい。9条を守ることができるなら、新しい政治を切り開く展望が見えてくるでしょう。3000万署名は大きな意義と展望を持った取り組みです。力を合わせて成功させましょう。