自民、公明、維新3党による衆院法務委員会での「共謀罪」法案強行採決から3日後の22日朝。京都市北区の嵐電北野白梅町駅で、車椅子の男性と約15人の人たちが「共謀罪 強行採決NO」などと書かれたプラカードを掲げ、法案反対をアピールしました。

■毎週月曜朝、北区・嵐電北野白梅町駅前

 毎週月曜朝7時45分から9時までの75分間、同駅前で取り組まれている安倍政権への抗議の「無言宣伝」です。参加者の思いを束ねるのは車椅子の男性。京都市長選挙に3回立候補して大善戦した、「WEBマガジン・福祉広場編集長」の井上吉郎さんです。

 脳梗塞で倒れ、右手右足、話すのも不自由な体になりましたが、特定秘密保護法成立(2013年12月)をきっかけに、一人「無言宣伝」を開始しました。「法に反対の意思は示したいから、自分でやれることはやろう」。正月もお盆も休みなしで続けてきました。「誘ったわけでもないのに」、賛同者が次第に増え、今では宣伝の度に十数人が集まります。

 この日の宣伝には、たくさんのドラマがありました。「共謀罪」強行の危機感と戦前に逆戻りしてはいけないとの思いから、前回から参加を始めた80歳の男性、目礼で激励する通行人、「共謀罪絶対だめですよ。署名用紙ないですか」と声をかけてくる人・・・。闘いの輪は確実に広がっています。16、19の両日夕には、同駅前で「共謀罪」法案阻止の「有言宣伝」にも取り組みました。

 井上さんは「共謀罪」阻止へかける思いを話しました。
 「宣伝を始めて4年足らずの間に、武器輸出三原則は緩和され、集団的自衛権行使容認で安保法制は成立した。戦後70年、あっという間に平和憲法の根幹が揺らいでいる。そして、安倍首相の期限を区切った改憲実行宣言。慄然とする」と言います。その上で、こう呼びかけました。「政権側が総力を挙げて『戦争する国づくり』へ向かっている時、僕らがバラバラでいいのか。沖縄がオール沖縄で団結したように、オール日本で共謀罪阻止へ。僕らは微力であっても無力ではない」

 「無言宣伝」の活動をまとめた『無言宣伝』(A5判、199㌻、1200円+税、ウインかもがわ)がこのほど出版されました。問い合わせ☎075・432・3455(ウインかもがわ)。

(写真=無言で抗議する井上さん(左端)〈22日朝、北野白梅町駅前〉)

(「週刊京都民報」5月28日付より)