20150530-02 安倍政権による年金引き下げの違憲性を問う全国いっせい提訴が29日行われ、京都地裁へは年金者組合から88人が第1次分として訴状を提出しました。
 訴訟は2013年10月から14年3月までの減額処分決定(1%)は、憲法25条の生存権を侵害するとして取り消しを求めているもの。

 訴状提出後の報告集会には原告ら70人が参加。原告団長の山崎彰・年金者組合府本部委員長が「国民年金の平均受給額は約5万円で、家族に頼らずには生きていけない人も多い。若者の将来を考えるための訴訟でもある。みんなで手を取り合って闘おう」と呼び掛けました。森川明弁護団長が違憲性を問う意義とともに全国一斉に行われることで国の年金制度のあり方、格差拡大の中で消費税増税の一方で法人税が減税されるなど現実政治の是正を求めて行く運動でもあると強調。「知恵と力を集めて国と対決していこう」と述べました。

 生活保護費削減の取り消しを求めた裁判の第1回口頭弁論が同日に行われたことから、集会に参加した尾藤廣喜弁護士が、「年金が下がれば生保基準も下げられる密接な関係。連帯して闘いに立ちあがり、世の中に広く知らせよう」と連帯のあいさつを行いました。

 原告の中川美智子さん(70)は「45年も働いて、年金は15万円を切る。こんなに働いてきて年金で暮らしていけないとは、どういうことか。私の年金が1円でも減らされることは納得できない。この裁判は歴史的な闘い。私自身にとっても最後の闘いとして頑張りたい」と決意を表明しました。

 全国では13府県、約1500人の原告がいっせい提訴を行いました。