オダマキ さわやかな五月晴れというより、連日猛暑がつづく京都の街。そんな暑い京の街の洛南にも観光客にまじって中・高生のグループが寺社巡りで楽しんでいます。楽しそうな修学旅行生を見ながら散策していると,小さな花壇に鮮やかなオダマキの花(写真)を見つけました。
 キンポウゲ科のオダマキ属(Aquilegia L.)です。日本原産でかなり昔から庭先に植えられおり、その名も花が麻糸を巻いた芋環(おだまき)に似ているところから名付けられました。ところが、英名のcolumbineは鳩の意味で、花の姿が飛んでいる鳩に似ているからと云われています。日本をはじめアジア、ヨーロッパに約70種類ぐらい自生しています。山野に多く自生していますが、紫、青、紅、黄色、ピンクや白など様々な色と形に品種改良され、愛好されています。よく観ると花の外側は花弁でなく萼で、花弁はその内側にあります。花弁の基部に距(蜜があります)があって、がく片の間から後方に長く突き出ています。雌しべは5個で子房は狭長で、雄しべはたくさんあります。花期は品種でかなり違いますが、5月から8月ごろです。植物学の塚本洋太郎著『原色園芸植物図鑑』[Ⅱ](保育社刊)によると、園芸種としてのオダマキはミヤマオダマキから品種改良されたのではと解説されています。
 ところで街中を歩いていると門前や小さな玄関口などチョットした場所にプランタンや植木鉢を置き、きれいな花をいっぱい咲かせている家があります。道行く人はほんに一瞬目にとめるだけですが、きっとこころ和んでいるのではないかと思います。(仲野良典)
「いにしへの倭文(しづ)の苧環(をだまき)いやしきも良(よ)きもさかりはありし物也」(訳=昔から「しづのをだまき卑し」というが、その身分の卑しい者も逆に身分のよい者も、等しくかつては人生の盛りがあったのだ。◎歌と訳は岩波書店刊『新日本古典文学大系』古今和歌集より)