もの言う存在、議席増を

公益財団法人京都健康管理研究会理事長・医師 泉孝英さん

 私は憲法改正には反対です。安倍首相や自民党が求める9条改憲や「国防軍」創設について、私が一番恐れるのは、改正を契機として防衛費が膨張し、社会保障費の確保ができなくなり、国民の暮らしが大きな打撃を受けるからです。
 歴史を振り返ると分かります。明治以降のわが国ではコレラ、赤痢などの急性伝染病対策が欧米諸国に比べて大きく遅れていました。これは、都市部で消化器系伝染病の防止に不可欠な上下水道が未整備だったからです。そして、その背景には戊辰戦争から日清・日露戦争、日中戦争、太平洋戦争と絶え間なく続いた戦争の戦費調達が国民生活を支える予算を圧迫したことがあります。今、憲法を変えれば同じことが起こりかねません。
 今度の参院選では、憲法問題以上に年金制度をどうするかなど社会保障について論じられるべきです。共産党の主張とは異なるかもしれませんが、私は高負担・高福祉の北欧型の福祉国家を目指すべきと考えています。
 安倍政権に対してはっきりとものを言う存在として共産党には大きな意義があります。東京都議選では議席を倍増させました。参院選でも議席を伸ばして欲しいものです。(「週刊しんぶん京都民報」2013年7月14日付掲載)