橋下徹大阪市長は新党「日本維新の会」を28日にも結成しようとしています。衆院選を焦点にした国政進出が狙いです。橋下氏のめざすものと同会の実態について、〈上〉に続き、京都の各団体関係者の危ぐの声を紹介します。

 橋下氏は、「維新八策」で「憲法改正」を掲げ、改憲をめざすことを宣言。国会の改憲発議要件(96
条)の緩和や改憲のための国民投票実施を明記しました。

理念価値否定し改憲

「憲法9条京都の会」事務局長、弁護士 小笠原伸児さん

 橋下氏の憲法観には重大な問題があります。
 橋下氏は、「押しつけとの議論が起きる憲法を持っているのは恥、自分たちの手で作り直す過程が必要」と述べ、自主憲法制定、改憲の立場を示しました。
 また、橋下氏は、「ぜいたく」と称して大阪府市民への住民サービスを大幅にカットし、強者の論理を徹底させてきました。「維新八策」では「自立」を強調し、弱者思いやりの視点が欠如しています。個人の尊重(憲法13条)を実現しようという憲法理念の否定であると言わなければなりません。
 そして、憲法9条の否定です。橋下氏は、「がれき処理が進まないのは全て9条が原因」とか「憲法9条というのは、平和を維持するためには自ら汗をかかないというのが根源的精神」などと9条を攻撃。また、海外での武力行使を可能にする集団的自衛権について、「行使のためのルールを作っていくべき」と発言し、集団的自衛権行使を容認しました。
 そもそも、橋下氏には、政治家としての資格があるのでしょうか。政党の代表として国政に関与するからには、その綱領、政策に責任を持つのは当然です。
 橋下氏は、沖縄県の米軍普天間基地の移設先に手をあげながら、結局日米両政府が合意した県内・辺野古案を容認するなど、無責任発言を何とも思っていません。自著『まっとう勝負』では、「ウソをつけない奴は政治家にはなれない」などと平気で書いています。主権者国民に対する責任感や誠実さがないと思います。
 橋下氏と「維新の会」は、2大政党の行き詰まりや閉塞感の中で、国民の票を掠め取ろうとしています。しかし、憲法価値を否定し、発言や政策に責任を持たないグループが国政で一定の力を持つことなど最悪です。絶対に許すわけにはいかないと思います。(「週刊しんぶん京都民報」2012年9月30日付掲載)