東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、日本共産党は、「政府は、原発からの撤退を決断し、原発をゼロにする期限を決めたプログラムの策定を」と提唱、国民的運動を呼びかけています。原発問題、エネルギー政策についての府民各層の主張・提言をシリーズで紹介します。

自然エネルギーこそ

 テレビ、冷蔵庫、エアコンも置かず、料理は有機食材を使い、内装は天然素材を使った昔ながらの生活を味わってもらう旅館を、東京・銀座、京都・東山、綾部・奥上林で運営してきましたが、福島の原発事故を受けて、銀座店を6月で閉めることにしました。
 電気を浪費している都心で、昔ながらのエコ旅館といっても偽りにすぎないと痛感したからです。東山と奥上林に集中することにしました。ところが、ここで大きな問題に直面しました。奥上林の店は若狭の原発から20キロしか離れていないからです。7月に舞鶴で脱原発のデモがあると聞き、東京から駆けつけました。初めてデモというものに参加しました。
 今、足尾銅山鉱毒事件で立ち上がった田中正造の言葉が頭から離れません。「物質上、人工人為の進歩のみを以てせバ社会は暗黒なり」
 日本の政治や経済は、人々の命やくらしをないがしろにして利益や効率ばかりを追求してきたのではないでしょうか。そのつけが、原発事故にあらわれたのだと思います。原発に未来はありません。政府や経済界は原発に頼らない自然エネルギーの開発に全力を尽くすべきです。
 私も、原発の電力に頼らずに済むよう、東山や奥上林の旅館では、水力や太陽光など自然エネルギーによる自家発電を導入していこうと考えています。(「週刊しんぶん京都民報」2011年9月4日付掲載)
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