天竜寺の蓮 右京区嵐山の臨済宗天竜寺では、天上に咲いているような見事なハスが華を咲かせています。ハスを咲かせている方生池は天竜寺の勅使門から法堂に至る参道にあり、中央に架かる石橋の左右の池で、蓮の華が池いっぱい全面に咲き誇っています。
 石橋の左側では白色ピンクの大きな花びらを開かせ、右側は全体に少し濃いピンク色。ハス(蓮=スイレン科ハス属)の原産地はインドで、日本には古い時代に中国経由で渡来しました。和名は花が散った後の花床がハチによく似ているので蜂巣と言います。根は蓮根(レンコン)。花びらの散った一枚を散り蓮華といい、その形から鍋物の汁などをすくうスプーン風のサジがチリレンゲです。
 仏は蓮台の上に座っているので仏事に独占されているようで、法金剛院、龍安寺や宇治の萬福寺などの方生池にもハスの華を美しく咲かせています。
 猛暑の中、ハスの華が見事に咲く方生池の辺には、たくさんの観光客が蓮に見とれています。
香川県からの4人連れは「ホントに美しい。こんなに大きく花が開いているのは初めて見ました」、「大きな葉っぱの真ん中に水玉がきれいにころんでいる」と。また東京から訪れた夫婦連れは、「3泊で京都見物です。きれいな蓮の華がいっぱいみれて良かった」とみなさん見事なハスの華に堪能し満足そうです。
 天龍寺のハスは今が一番の見頃で、あと1週間は鑑賞できそうです(ハス満開の方生池は無料。スイレン咲く曹源池がある池泉回遊四季庭園は有料)。
 ハスやスイレンなど水生植物の花は、早朝から10時ぐらいまでが見頃で、午後になると花が閉じるか散ってしまいます。(仲野良典)

 天龍寺は臨済宗天龍寺派の大本山で1339年(暦応2年)、足利尊氏が後醍醐天皇を弔うために創建しました。大伽藍を有するほどに繁栄しましたが、度重なる災火に見舞われ現在の諸堂は明治以降に再建されたものが多いです。曹源池を中心とする庭園(有料)は国の史蹟、特別名勝に指定され、1994年には天龍寺全体が世界文化遺産に登録認定されています。 
「はちすばのにごりにしまぬ心もて何かは露を玉とあざむく」(遍昭)