詩仙堂桔梗 京都市左京区一乗寺にある詩仙堂は、四季折々の花を咲かせています。
 庭園には瀧や渓流が流れ、中央に白砂敷きが設けられ、さまざまな草木が植えこまれています。長引く梅雨空のした、庭園には鬼ユリやキキョウ、ギボウシなどが閑雅なたたずまいで白砂敷きの庭に彩を添え、鹿威(ししおど)しの響きが聞こえてきます。訪れる人は少ないものの、庭園を一望できる詩仙の間に腰をおろすとこころ癒すひと時を過ごせます。
 詩仙堂は1640年、庭園造りの名手の石川丈山(じょうざん)が設計した庭園で、丈山が90歳まで隠棲しました。現在、詩仙堂は曹洞宗永平寺派に属し丈山寺といいますが、同寺の詩仙の間の堂内に中国の三十六歌仙の詩人36人の額を掲げたところから詩仙堂と通称されています。(仲野良典)