第39回京都教育センター研究集会が24日、京都市左京区の教育文化センターで開催され、教員、市民、研究者ら160人が参加しました。
 臨床心理学者の高垣忠一郎・立命館大学教授が、「競争社会に向き合う自己肯定感」と題した記念講演を行いました。
 高垣氏は、競争社会の激化の中で不登校の子どもたちが70年代以降急増し、それとともに、「自己肯定感」という言葉が注目されるようになってきたことを紹介し、「競争社会の中で子どもたちは、常に他人と比べられ、成績が悪いと全人格がまるごと否定されてしまうような教育をずっと受け、小さな問題を指摘されても、人間性が否定されたと錯覚し傷ついてしまい、不登校になってしまう」と指摘。
 その上で、「自己肯定感とは、誰かの役に立つとか、誰かと比べることではなく、自分のありのままの存在が受け入れられることだ。格差社会、競争社会に向き合い、自己肯定感が達成できる家庭や学校や社会が必要だ」と訴えました。
 京都退職教職員の会前会長の山本正行氏による「『旭丘事件』を通して1950年代の教員を考える」と題する講演や「格差社会と教育の貧困」をテーマにしたパネル討論が行われました。
 翌25日には、学習指導要領の改訂や高校生の学力問題など8つのテーマの分科会が、同じく教育文化センターで開催されます。