五世井上八千代さんが7日、二条城の二の丸御殿台所(重要文化財)を舞台に「澪の会 第100回記念公演」をひらきました。「澪の会」は京舞を身近に感じてもらおうと、家元襲名前の1981年4月7日から始めた公演。
 記念の演目は遊女に恋する男性を描いた長唄「一人椀久」と、五世八千代さんが六条御息所に焦点を合わせて構成、振り付けした長唄「葵の上」。源氏物語千年紀にちなんでの初演です。高貴な身分の女性が光源氏を愛するあまり正室・葵上に嫉妬し、生霊となってしまう悲哀を舞と衣装で表現されました。
 また立命館大学教授で「上方芸能」編集代表の森西真弓さんが、『源氏物語』を題材にした舞、能、狂言、歌舞伎、歌劇について講演しました。
 観覧した女性(38)は、「テレビや新聞で井上八千代さんを知って、是非一度生で見たいと思っていました。座布団席が当たって良かった。葵の上の初演を見られて感動しました」と話していました。