28日は北海道と南九州以外は雨と曇り。近畿地方は皆既月食はあきらめの予報でしたが、8時10分ごろに雲の切れ目から星が一つキラリ。そして東山の空をじーと見ていると薄曇りでも写真のように魅惑的な暗くて赤い大きな月が見えました。電波時計は22時09分24秒。太陽と地球と月が一直線に並んだのです。2001年1月以来6年ぶりです。
 皆既月食でも月は見えます。地球には大気があるからです。太陽光線は大気中を僅かに屈折しながら赤い光だけが月に到着して、夕焼けと同じく満月が赤っぽく見えるのです。
 国立天文台では「皆既月食どんな色?」というキャンペーンを行っており全国からホームページを開いて送信してもらっています。もちろん私もデーターを報告しました。きっと北海道や鹿児島からたくさんの人たちが「オレンジ色」や「灰色」、「黒い赤」などいろいろな色のお月さんが全国から寄せられているでしょう。 
 京都は町明かりが年々増えてきて夜空に輝く星もめっきり寂しくなってきましたが、この日の皆既月食を見た人はきっと感動ものではなかったかと思います。(仲野良典)