京都中心に大阪・奈良・岡山などの古書店39店舗が加盟する「京都古書研究会」会員店による「第20回納涼古本まつり」を11日から16日まで、京都市左京区の下鴨神社糺の森で開催されています。単行本・新書・文庫・雑誌から高価な美術本までの約90万冊が各テントづくりの店舗に並べられました。京都は連日の36度を超える猛暑日で11日も朝から日差しが強いですが、糺の森は納涼の名にふさわしい場所での祭。いっぱいの本を袋にぶら下げてまだ品定めをする人々がたくさんで盛況です。
 主催者の古書研究会代表の井上道夫さんは「おかげさまで、研究会発足して30周年。まあ、この仕事は景気変動にはあまり関係ないみたいで、お客さんはかわりませんです。逆に近年は近畿を始め全国からもたくさん来られるようになりました。あちこち古本屋を巡らんでもこの祭にきたら揃いますさかい、人気でてきてます」と話します。
 袋にいっぱい本を詰め込んだ地元京都市内の中年男性は「70冊ほど買い込みまして。まぁ、掘り出し物は見つからんかったが、安いのでつい買うてしもうた」」と言います。また神戸から第1回目から毎年来ているという年輩の男性は「哲学や思想の人文関係を集めてます。本の虫みたいで趣味。家には1万冊はあります。もう処分しようかと思いながらまた買い込みました。会場特設の宅急便で送ってもらいます」と笑い、地元の大学に通う学生は文庫本中心に袋満杯の買い物で「文学・小説ばっかりです。1冊100円でしょう。3500円ほど買い込みました」と重そうな袋をぶら下げてニコニコ顔でした。
 今年は同研究会発足30周年記念で児童本や絵本専門コーナーや紙芝居、冷たい飲み物の店も開店。木陰で涼しい糺の森は古本まつりに訪れた人々で賑わっていました。(仲野良典)