「シベリアの原野で、厚生省の倉庫で、遺骨が泣いています」と題した「シベリア抑留展」が、29日から7月4日まで、京都市下京区のひと・まち交流館で開催されています。
 主催は、第2次世界大戦後にシベリアに抑留された旧日本兵や遺族でつくる「棄兵・棄民による国家賠償を勝ち取る会」。シベリア抑留の日本政府の責任を問い、国家賠償を求める訴訟準備中で、抑留の実態を市民に訴え、裁判への関心も持ってもらおうと開きました。
 4年前からボランテイアが行っているシベリアチタ州などでの遺骨収集作業の写真、材木を伐採する労働の様子を描いた絵など約50点が展示されています。土中から掘り出された、金歯だけが光る遺骨や何十個もの頭蓋骨の写真が目を引きます。収集された1万7000体の遺骨は厚生省の倉庫に放置され、まだ5万体がシベリアに残されたままと言われています。
 「会」代表、林明治さん(82)=向日市=は、「シベリア抑留の最大の責任は、敗戦後に日本の兵士や市民を見捨てた日本政府にある。遺骨がそれを訴えかけている」と語ります。
 入場料は無料。午前10-午後5時まで。問い合わせは、TEL090・9042・2731。